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    福島第1原発事故から4年 甲状腺がんが多発

    福島第1原発事故から4年 甲状腺がんが多発

    © 写真: Arkadiusz Podniesinski/REX
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    リュドミラ サーキャン
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    福島第1原子力発電所での事故から4年半が経過し、福島の子供たちの甲状腺がんが多発している。主な原因は、事故によって大気や土壌に放出、沈降した放射性ヨウ素同位体だ。放射性ヨウ素同位体は、まず甲状腺に障害を与える。そして最も高いリスクを負っているのが、子供たちだ。

    福島、事故から4年の姿
    © 写真: Arkadiusz Podniesinski/REX
    ヨウ素同位体が福島に住んでいた子供たちに影響を与えているという最初の警告が示されたのは、事故からおよそ1年半が経過した2012年夏だった。数十万人の児童を対象に検査が行われたが、そのうちの35パーセント超の児童に甲状腺の結節やのう胞がみられた。

    最新の統計はさらに悲惨だ。福島県が事故当時18歳以下だった37万人を対象に甲状腺検査の結果を分析したところ、137人が甲状腺がんの疑い、あるいはがんであると診断された。なお、日本の別の地域では、通常こどもの甲状腺がんは100万人に1-2人といわれている。

    岡山大学の津田敏秀教授は、福島県内の子どもの甲状腺がんが多発している問題について、予測よりもはるかに高く、以前考えられていたよりもはるかに速いと指摘し、次のように語っている。

    「分析しましたデータは、福島県が2011年当時、18歳以下だった全県民を対象に行っている甲状腺の超音波エコーを用いた甲状腺スクリーニング検査の結果のデータを用いました。このスクリーニング検査は2011年10月から始まっていますが、今回のデータは2014年12月31日までに集計したデータを用いています。私たちは、この福島県内のデータをまず日本全体の甲状腺がんの年齢別の年間発生率と比較して、その何倍多発かという数字をがんの潜伏期間も含めて調整して分析した結果を示しました。また福島県内の甲状腺がんの発生率が高い所と低い所を比較し、福島県内でも比較しました。その結果、日本全国と比べて最も高いところで約50倍の甲状腺がんの多発が起こっているということが推定されました。低い所でも20倍の多発が起こっています。最も低いところは、まだがんは見つかっていません。2番目に低い地域と比べて最も高い地域は2.6倍の違いがあります。そしてこれは一巡目、いわゆる最初の福島県内全体を検査した2013年までに行われた検査の結果ですが、2014年に行われた2巡目の検査の結果も今発表され始めています。2巡目の検査結果は、今発表されている甲状腺がんの症例数以外は全員がんはないであだろうという極端に低めの仮定において計算しても、もう10倍以上の多発が観察されています。これらの数十倍の多発が観察された結論としては、福島県内において放射線の影響による著しい甲状腺がんの多発が起こっていて、それはチェルノブイリにおいて4年以内に観察された甲状腺がんの多発と、チェルノブイリで起こった5年目以降、6年目以降の大きな多発がこれから起こるような状態が、避けがたい状態である。2013年にWHOは、福島の20キロ以外の地域において甲状腺がん、白血病、乳がん、その他の固形がんが多発すると予測していますが、そのWHOの予測のペースをかなり上回っているのが分かります。現在、日本国内ではその状況がほとんど理解されず、なんの準備もされていませんので、よくこの事を理解して、今後の対策を立案して実行していく必要があります」。

    一方で日本の国立がん研究センターの学者たちは、研究者たちは入手したデータを正しく理解していないとの考えを表している。また日本政府は、福島県の子供たちの検査で甲状腺がんが検出されたのは、「過剰診断」や「スクリーニング効果」によるものだと説明している。しかし津田教授は、超音波検査による最新結果は、政府の見解に疑問を投げかけるとの考えを表し、次のように語っている-

    「大方の専門家は、チェルノブイリより放射性ヨウ素の放出量が約10分の1であったという公式のアナウンスメントがあった時に、甲状腺がんの多発というものが福島県で起こり、そしてそれが観察されるだろうということが分かりました。現在そのペースが非常に上回っているので、実はもっと大きな放出なり、被曝があったと考えざるを得ません。チェルノブイリでの経験がほとんど利用されていません。安定ヨウ素剤を全員の子供に呑ませておけば、これから起こってくる甲状腺がんは半分くらいになるということが期待できました。WHOは2012年の線量推計に基づいて、約8倍から10倍の甲状腺がんが多発するとしました。ところが線量推計のドラフトの段階で、日本政府はロビー活動によってそのドラフトの線量値を下げたわけです。これが報道されたのは昨年末の12月7日でしたが、被曝量が大体3分1から10分の1にヘルスリスクアセスメントが行われる前に下げられました。つまり、行うべき対策とは逆の対策をロビー活動でやっていたわけです。この報道内容の真意について、あるいはどういうことが実際に行われたのかについて、日本政府は責任を持って調査する必要があると思います。スクリーニング効果や過剰診断によってどのくらいの偽の多発が起こってくるのかということですが、せいぜい2-3倍、あるいは6-7倍、そういう一桁の上昇しかデータはないわけです。ところが福島県では20倍から50倍の多発が起こっているわけです。一桁多いわけです。したがってスクリーニング効果があったとしても、それはこの20倍から50倍の多発のほんの一部でしかありません。チェルノブイリの経験を何も学ばず、放射線の人体影響に関する論文をほとんど読まない中で、日本ではアナウンスが行われています。日本の保健医療政策の多くは、こういった陰口、噂話、立ち話に基づいて行われています。そしてこういう医学的根拠、論文や研究結果に基づいた保健医療政策が行われていません。これは非常に日本の保健医療政策が遅れている点だと認識していただきたいと思います」。

    国際原子力機関(IAEA)の報告書によると、福島では被災者およびその子供たちにも、放射線障害による病気の発症率が明らかに増加することはないと見られている。この主張は、日本政府に「状況は懸念を引き起こすようなものではない」と考えさせ、汚染が少ない地域へ人々を帰宅させる根拠を与えた。例えば最近、日本政府は、福島第1原発から約16キロ離れた福島県楢葉町の避難指示を解除した。事故後に全自治体規模で避難指示が解除されたのは初めてだ。楢葉町からは7000人以上が避難していた。

    一方で、帰宅を決めた住民は、わずか10パーセントだという。これは、放射線恐怖症や子供の健康に対する危惧と関連しているだけではない。大勢の人は新たな仕事や住居を見つけ、子供たちは新しい学校に通っているからだ。加えて町のインフラも、この間に老朽化してしまった。

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