日本の「報道の自由」に懸念 国連人権理事会

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約5年ぶりとなった国連人権理事会の対日人権審査では、特定秘密保護法などで萎縮しているともいわれる日本の「報道の自由」を巡る問題が取り上げられた。米国などがメディアの独立性確保に疑義を表明し、日本政府は「表現の自由は憲法で保障されている」と反論したが、政府が放送局に電波停止を命じる根拠となる放送法4条の改正が勧告されるなど厳しい展開となった。共同通信が伝えた。

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「日本メディアの独立性強化のため法改正も含めて検討すべきだ」。14日の作業部会の会合でオーストリア代表が強調した。発言した106カ国・地域のうち報道の自由に触れたのは少なくとも4カ国。218項目からなる勧告でも5項目がこの問題で、放送局の監視管理のための独立機関設置(米国)なども盛り込まれた。

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また時事通信によると、従軍慰安婦問題で韓国、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)、中国が日本に謝罪と被害者への補償を求めたほか、死刑制度廃止を多数の国が勧告した。

言論・表現の自由は、民主主義国家が保護すべき重要な人権とされ、国連の場で懸念が示されることは「あまり名誉なことではない」(国連外交筋)。

日本の報道の自由を巡る状況は揺らぎを見せている。国際ジャーナリスト組織「国境なき記者団」の世界各国の報道自由度ランキングで日本は2010年の11位から毎年順位を下げ、12年に22位、14年には59位、16、17年には72位まで下がった。アジアでは韓国(63位)やモンゴル(69位)より下のレベルだ。

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11年の福島第一原発事故の対応が契機となった。情報公開の不十分さや、記者クラブ制度の閉鎖性が海外で「真相を隠しているのでは」との疑念を呼んだ。

懸念を裏打ちしたのが、言論と表現の自由に関する国連の特別報告者デービッド・ケイ氏の発言だ。ケイ氏は日本における言論・表現の自由の現状を調べるため16年春に訪日。この時の記者会見で、日本政府が放送法を盾にテレビ局に圧力をかけていると批判した。

日本政府は反論したが、ケイ氏は今年5月に人権理事会に提出した勧告でもトーンを変えず、対日審査で日本のメディアの問題が取り上げられるベースとなった。

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