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    立正大学経済学部・蓮見雄教授: 日本の経済制裁、実質的な効果なし

    立正大学経済学部・蓮見雄教授(1):日本の経済制裁、実質的な効果なし

    © Flickr/ Japanexperterna.se
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    2014年3月以来、欧米によるロシアへの経済制裁が続いている。メドベージェフ首相は今年4月、このためにロシアが被った損失額は推定1067億米ドル(約13兆円)にのぼる、との見方を自身の演説の中で明らかにした。しかしロシア経済悪化のどこまでが経済制裁による影響で、どこまでがそうでないのかを判断するのは容易ではない。この問題における日本の立ち位置と影響の度合いについて、EUとロシアの経済関係およびエネルギー政策の専門家である立正大学経済学部・蓮見雄教授の見解を伺った。

    Q、日本の、ロシアに対する経済制裁は継続するでしょうか。また日本の制裁は部分的なものと言われていますが、実際のところ経済界に対する影響はどの程度でしょうか。

    A、日本は、対ロシア制裁について欧米と協調しつつ、同時にロシアとのビジネス対話を継続すると思います。欧米の制裁は、金融制裁と北極海やシェール(非在来型石油・ガス等)の開発技術・サービスの輸出禁止によって、ロシアの新規資源開発を阻止することに狙いを定めています。日本も、これに準ずる制裁をしているのですが、ロシア企業は日本で資金調達をしていなかったので、欧米の制裁ほどの実質的な効果はありません。

    JETROが2014年に実施したロシア日系企業調査によれば、約6割が制裁の影響を受けているものの、半数以上が営業黒字で約3分の2が今後1、2年で事業拡大すると回答しています。

    確かに、ロシアの経済状況は悪化しています。しかし、経済界がロシアを高いポテンシャルを持った新興国市場であると見ていることに変わりはありません。事実、2010~13年の世界の経済成長率に対するロシアの寄与度は、ドイツ並みに大きかったのです。ですから、制裁と油価下落を契機とするロシア経済の停滞は、当面、日欧米のいずれの企業にとっても新興市場の一つが失われることを意味しており、ビジネスにとって望ましい状況とは言えません。

    これは日本のエネルギー安全保障にも関わる問題です。2013年4月の「日ロパートナーシップの発展に関する共同声明」は、日ロ両国の官民パートナーシップに基づくシベリア極東開発を謳い、その後、日本企業とガスプロムやロスネフチとの共同資源開発の合意が次々と公表されたのですが、制裁の影響で滞っています。

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