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    立正大学経済学部・蓮見雄教授:慎重にならざるを得ないのはアメリカ自身だ

    立正大学経済学部・蓮見雄教授(2):慎重にならざるを得ないのはアメリカ自身だ

    © AFP 2017/ PAUL J. RICHARDS
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    4月に安倍首相がアメリカを公式訪問した。その際オバマ大統領から「ウクライナ情勢の区切りがつくまで、プーチン大統領の訪日については慎重に扱ってほしい」旨の発言があった。この発言については「日ロの接触に対し、アメリカが神経を尖らせている」とNHKでも大きく取り上げられた。日ロ関係を何とか打開したい安倍首相に対してアメリカは牽制をし続けるのか。EUとロシアの経済関係およびエネルギー政策の専門家である立正大学経済学部・蓮見雄教授の見方を伺った。

    Q、オバマ大統領の発言に見られるような、日ロ外交に及ぼすアメリカの影響についてご意見をお聞かせください。

    A、「アメリカの影響」とひとくくりにすることはできません。政治とビジネスは、区別して考える必要があります。2014年6月、アメリカ製造業者協会、およびアメリカ商工会議所の会長は連名で広告を出しました。「アメリカが外交目的を達成するための能力を強化できる見込みはほとんどない。いったい誰が一方的なこの経済政策のコストを支払うのだ?われわれアメリカの労働者と、産業者ではないか」という内容の批判広告です。これは今でもインターネット上に残っています。(参考URL: http://www.nam.org/Issues/Trade/NAM-Chamber-Ad.pdf

    いっぽうエクソン・モービルは、対ロシア制裁強化後の2014年8月にロスネフチと協力して、北極海の試掘を開始しましたが、8月末に制裁がさらに強化され、中止せざるを得なくなりました。つまり、アメリカ企業も制裁の影響を受けているということです。しかし、長期的にみて「ロシアの資源を、欧米石油メジャーの技術で開発し、アジア市場に輸出する」という構図は変わりません。この点でメジャーとロシアの利害は一致しています。つまり、対ロシア制裁の継続・強化についても日ロ外交についても、アメリカ政府自身が「慎重に」ならざるをえない面があるのです。したがって、プーチン大統領の訪日も含めて日ロが「慎重に」対話を継続することは可能だと思います。

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    露日関係, 安倍晋三, バラク・オバマ
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