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    論争を呼ぶ領域、泣き笑い

    論争を呼ぶ領域、泣き笑い

    © AFP 2017/ JAY DIRECTO
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    リュドミラ サーキャン
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    中国が南シナ海で法に反する行動をとっているとしてハーグの国際司法裁判所にフィリピンが持ち込んだ訴えの判決が、数日のうちに下る。国際的な世論の注目はこの問題に釘付けになっている。なぜなら国際司法裁判所にこうした種類の問題が持ち込まれたのは前代未聞のことだからだ。

    訴えが起こされたのは2013年。中国が事実上、スカボロー礁(中国名:黄岩島)に対する実行支配を開始した1年後。この島はフィリピンから140海里の地点に、つまりフィリピンの主張では排他的経済水域の200海里内に位置している。発端はスカボロー礁付近に8隻の中国の五千が出現したことだった。この漁船の船員らはフィリピン海軍の船によって拘束され、密漁を行なっていたとして訴えられた。

    このシナリオは2010年、尖閣諸島を廻って起きた事件と共通するものがある。事件の発端は中国の漁船が日本の沿岸警備艇と起こした衝突騒ぎだった。中国人船長が接舵戦を逃れようと日本の船に体当たりを食らわし、これが火に油を注いだ。日本側は中国漁船を拿捕し、船長は裁判にかけられ、地域紛争にまで発展する恐れが生じた。だが幸いなことにすべては両国での大声でのアピールに集約され、法的、歴史的根拠を入念の模索する試みがなされ、日本のマスコミでも中国側でも煽動的なレトリックが多々なされるに留まった。

    さて今回のフィリピンの訴えだが、注視すべきなのは訴えがスカボロー礁やその他の係争諸島の貴族権には全く関与していない点だろう。訴えは南シナ海といわゆるU字ラインがひかれ、その大半が中国領であることを示す地図が中国で出されたことに集約されている。これは海洋法に関する国際連合条約に即しているかどうかが問題視されている。この訴えの弱点は中国、フィリピン以外にもこの水域の領有権を主張する台湾、ベトナム、マレーシア、ブルネイの考える境界線も全く同様に他国の領土に侵入している点だ。

    もしハーグが中国は国際法に違反しているという判決を下せば、国際社会からの批判は間違いなく強まる。ところが中国はいかなる決定も自国の国益を縮めるものであるならば遂行する構えにはない。ひょっとするとフィリピンもまさにこれを計算に入れているのではないだろうか?大して意味のない地点でもせめて一箇所でポジティブな決定をものにして、中国が国際法規に違反しているところを示す、というのが目論みなのだろうか?

    世界には争いの程度の差こそあれ、何百もの領土論争がある。堂々と辺りに聞こえるようなものもあれば、たいした意味を持たないために世論の注目からはずれているものもある。例えば北極にあるケンネディー海峡の中央部にある、わずか1.3キロ平米の無人島ガンス島。この島をめぐって長年カナダとデンマークはいさかいを続けてきた。

    1970年代初め、両国は北極の海上の線引きをどこにするかで合意した。ところが島の地位は確定されないまま残された。双方ともが間断なく自国の調査船を島へ送り、自国の旗を立て、抗議の記しを送りあっている。1984年、紛争は新たなレベルに達した。デンマークは旗ざおの下にアルコールのビンを置き、そこに「デンマーク領にようこそ!」というメモを貼り付けた。しばらくたってデンマークは非対称的な報復をカナダ産ウイスキーという形で食らった。それ以来、すでに30年以上もNATO加盟のこの2国は何もない裸の島をめぐって凄惨な戦いを続け、それぞれ相手に対して贈り物を置き土産にすることも忘れていない。

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    領土問題, 日本, 中国, フィリピン, 南シナ海
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