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    泣いている子供

    子へのなおざりな態度が、取り返しのつかない行動へと背中を押す

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    リュドミラ サーキャン
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    8月31日、埼玉県の県営住宅の敷地で男子高校生の遺体が発見された。警察は飛び降り自殺と見て調べている。未成年の自殺というニュースは、どの国で起ころうと衝撃を与える。学校の新学期が始まる日の9月1日は、日本の子供たちの自殺率が最も高くなるというデータがある。これは、学業不振や人間関係など学校でのマイナスの経験から来るストレスによるものだと推測されている。夏休み後に学校に対する恐怖が高まるのだ。

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    日本の警察庁の統計によると、自殺者全体の数は03年をピークに減少傾向にあるが、小中高生の自殺は年間300人前後と、この10年間変化がない。2016年には320人の小中高生が自ら命を絶った。うち小学生が12人、中学生が93人、高校生が215人で、3分の2は男子生徒だった。厚生労働省のデータでは、15~19歳では自殺が死因の1位で、10~14歳が2位となっている。この年齢層の子供たちは内面がまさに形成されているところで、非常に繊細。何気ない出来事でさえ、自殺のきっかけになりうるのだ。

    警察庁の統計によると、小中高生の自殺の原因で最も多いのは学校問題(36.3%)で、家庭問題(23.4%)、うつ病など健康問題(19.7%)が続いた。学校問題で、悪名高いイジメが原因とされたのは全体のわずか1.9%だった。

    日本政府は2007年6月初めて、自殺防止の指針となる自殺総合対策大綱を定めた。学校でのいじめは調査され、いじめ予防策が取られている。しかし、小中高生のいじめは減っていない。自殺予防に詳しい高橋祥友・筑波大教授(精神科医)によると、子どもの自殺リスクは、いじめなどの学校問題のほか家庭や精神疾患など複数のファクターから高くなり、そこから何かをきっかけにして自殺が起きる。高橋教授はそのため、いじめが深刻な問題であることを認めつつ、いじめ予防策だけでは自殺防止としては不十分だとの見方を示した。

    東京都監察医務院の福永龍繁院長は、10代の自殺の動機はわからないことが多いが、動機が不明なことを前提に対策を考える必要があると指摘する。

    いじめ問題に取り組むNPO「いじめから子供を守ろう!ネットワーク」の児童・生徒向け掲示板では、小中高生の保護者たちがいじめ被害者の相談に乗り、自身の経験や助言を共有している。いじめの相談は長期休暇終了前に増える。いじめ解決を支援するNPO法人ユース・ガーディアンは、いじめ自殺防止のための共同宣言を策定。次のような助言が載っている。
    学校に行きたくなかったら、行かなくてもいい
    学校が君にとっての地獄なら、行かなくてもいい。
    ただ、教えてほしい、何があったのか?何が起きたのか?
    もし、今、話すことがつらかったら、話せるときまで私たちは待っている。命はリセットできない。」

    世界精神医学会(World Psychiatric Association)のデータによると、しばしば自殺へと未成年の背中を押すのは、両親が常に多忙であったり周りの人が子どもの問題や心配に無関心であること。また、各国で行われた実験が示すところ、ほぼ全ての子どもは自殺前に注意を引こうと試みる。何らかの問題があるという信号を出すのだ。自殺願望をはっきりと告げる子どももいる。子どもからの信号に対する完全な無視は言うまでもなく、注意を払わない疎かな態度は、取り返しのつかない行動へと子どもの背中を押すのだ。

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