11:01 2020年02月19日
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北朝鮮は太平洋上で超強力水爆の実験を行う可能性があると牽制した。これは、トランプ大統領の国連総会での演説を宣戦布告と受け止めた北朝鮮からの正式な答えだ。

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トランプ大統領の演説を受けて北朝鮮の金正恩労働党委員長は「トランプが全世界の面前で私個人を侮辱し、我々国家の存続自体を否定した上、我らが共和国を滅ぼすという史上最も暴悪な宣戦布告をしたため、我々は超強硬な対抗策の断行を考慮する」という声明を出した。

ニューヨークを訪れた北朝鮮の李容浩(リ・ヨンホ)外相は21日、金正恩氏の声明に言及し、対抗策の1つには、過去最強の水爆実験を太平洋で行うことを意味するのではないかと示唆した。韓国の聯合ニュースが報じた。

北朝鮮のこれほど恐ろしい警告がハッタリである可能性もある。しかし、戦略状況センターのロシア人専門家で北東アジア軍事研究(NEAMS)に論考を掲載するウラジーミル・フルスタリョフ氏は、技術的には太平洋上の水爆実験は可能だとして「9月3日、北朝鮮は水爆実験を行った。実験は成功裏に終わったと見られる。水爆は火星14型ミサイルの弾頭として適していると評価される。これはつまり、爆発させるものを北朝鮮は持っているということだ」との見解を示した。

出力200キロトン以上の核爆弾を自国内で爆発させると、放射能汚染の可能性も高いため、北朝鮮にとっても安全ではない。さらに隣国のロシアや中国も被害を受ける可能性がある。そのため北朝鮮は人の住む地域から遠い場所での核実験の可能性を検討しているのだ。

太平洋上の核実験は、過去に米国やフランスも他国領土や海路から離れた岩礁を選んで一度ならず行ったことがある。北朝鮮は太平洋上に岩礁や島を持っていないが、それは例えば北朝鮮から遠い南太平洋で核実験を行うことを妨げるものではない。フルスタリョフ氏は、そうした可能性もあるとして「太平洋上の安全で遠く離れた何らかの地域に、水爆を潜水艦やミサイルで送り届けることは技術的には可能だ。送り届けるのは大陸間弾道ミサイル火星14型ミサイルかもしれないし、北朝鮮が水爆弾頭の搭載に成功した他のミサイルかもしれない。そしてこのような決定が取られれば、成功裏に実現する可能性はある」と述べた。

つまり、北朝鮮は技術的可能性を持っているが、その結果は予測できないものになる可能性がある。このような「超強硬な対抗策」は戦争に導く要因として働くかもしれない。しかも遠い海域で起きても、海面近くの核爆発が放射能汚染を引き起こすことは必須で、海の動植物や沿岸諸国が被害を受けることになる。

北朝鮮がこうした策のリスクを検討するかという疑問は、答えを必要としない修辞的な疑問だ。

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軍事, ミサイル, 金正恩, 北朝鮮
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