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    リオデジャネイロで事件、2012年(アーカイブ)

    暴力都市リオデジャネイロ 市民が独自に自衛アプリを開設「今、どこで銃撃が発生」

    © AP Photo/ Felipe Dana
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    ブラジルの首都リオデジャネイロとその周辺部では犯罪が大幅に拡大しており、住民の不安と恐怖をあおっている。

    スプートニク日本

    社会安全保障研究所の調べでは2017年前半だけでもリオデジャネイロ市内で3千人以上の一般市民が殺害されており、1月か11月半ばまでの間には軍事警官119人が殺された。実践経済調査研究所とブラジル社会安全保障フォーラムが世界で最も犯罪の多い50都市の調査を行った結果、そのうち46都市はラテンアメリカにあり、しかも32都市はブラジルに集中していることが明らかになった。

    28歳の女性企業家、ジュリアナ・ダ・シルヴァ・アルヴェスさんの事例はリオデジャネイロの社会安全保障が複雑化した状況にあることを示すいい例だ。アルヴェスさんはリオデジャネイロ州の地方都市バイシャダ・フルミネンセから首都に引っ越してきてまだ1年もたたないが、この間にすでに3件もの暴行犯罪に遭遇している。中でも最もひどかったのは自動小銃で武装した犯罪グループに襲われた時で、アルヴェスさんは車から引きずり降ろされた挙句、もう少しで轢き殺されるところだった。あとの2件も殺される寸前で逃げ出すことができた。こうした犯罪に遭遇したためにアルヴェスさんは自分の生活習慣を根本から変えざるをえなくなったという。アルヴェスさんはスプートニクからのインタビューに対し、事件後に自分の生活習慣に起きた変化について、次のように語っている。

    「2017年、リオでどれだけの人が殺されたかを考えると、私たちはもうあらゆる望みを失いました。例えば私などは毎日の生活習慣を完全に変えました。うちの家族は寸分の隙も無い厳戒態勢に移行しています。夜は家から一歩も出ないようにしています。どうしても出なければならないときでも、私は一人では絶対に出ません。だって襲われた3度が3度、私が一人の時を狙われたんですから。こうして私たちはリオ生活を続けています。一定の時間を過ぎたら外には出ません。私が住む地区は住民がいくつかの通りを封鎖し、外からのアクセスを封じてしまいます。それは国が安全のために何もしてくれないからです。私たちは一体となって自力でせめて最低限度の安全を確保しようとしています。」

    リオデジャネイロの犯罪増加が発端となり、新たな現象がバーチャルの世界で起きた。2016年2月、「どこで撃ち合いが起きているか」www.ondetemtiroteio.com.brというサイトができると、その1年半後、2017年10月には同名のアプリケーション「OTT (Onde Tem Tiroteio)」が誕生した。

    こうしたサイト、アプリはある2人の男性の発想によるものだった。石油企業主ベニト・キンタニリヤ氏とエネルギー部門のエンジニアのデンニス・コリ氏とは友人どうし。きっかけは、通りで子どもが流れ弾に当たって死亡したというニュースを読んだことだったという。

    コリ氏はスプートニクからのインタビューに対して、最初は友達のベニトが自分のSNSを使い、リオデジャネイロの市内とその周辺のどこで撃ち合いなどの暴行が起きたか、情報発信を始めたことから始まったと語っている。

    しばらくするとコリ氏はこのイニシアチブをもう一人別の友人のマルクス・ヴィニシウスさんに持ち掛けて拡大することにした。ふたりはサイトを開設し、それを、24時間体制で機能するアプリへと拡大した。サイト、アプリは犯罪グループの間の衝突、警察の抗争、ファヴェーラでの警察の作戦、強盗、襲撃など、まさに暴力事件が行われている場所からのメッセージを流している。
    プロジェクト創設者によれば、サイトとアプリはリオデジャネイロの治安維持機関との関わりは一切なく、事件を目撃した市民からの通報のみに頼っているが、通報を公表する前に情報の正誤は常に確認されている。

    コリ氏の弁ではその仕組みは次のようになっている。「私たちのシステムは24時間体制です。最も大きなサークルはどんな暴力事件の目撃情報も流してくれる人達を含んでいます。この通報はすぐにアプリに伝わますが、公のアクセスにはすぐに公表されません。こうした通報はまず私たちが信頼サークルと呼ぶ、少人数のサークルに伝えられます。この時間に私たちは事実確認を行うのです。そして確認の後、初めて情報は公開されます。無責任な通報であればそれは逆にカオスを増すだけのことになりますから。こうした確認行為は通報のあった地区に住み、確認を行える最良の条件を持った民の協力で行われるのです。」

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