05:41 2018年11月15日
日本国旗と中国国旗

自衛隊の新駐屯地開設 どうなる日中関係の雪解け?

© AFP 2018 / Peter Parks
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日本は中国抑止のための新たな駐屯地を建設する。この声明は10月の安倍首相の中国訪問のほぼ直後に表された。この声明が出されたということは、日中関係の雪解けは望み薄なのだろうか。この問題について、スプートニクは日本の歴史、政治に詳しいモスクワ国際関係大学のドミトリー・ストレリツォフ教授と中国外交学院国際関係研究所の 周永生教授に取材を行い、解明を試みた。

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安倍首相は10月末の中国訪問を総括し、日中の将来について、「競争から協調へ」「日中は脅威でなくパートナー」「自由で公正な貿易の推進」という3つの新原則について重要な声明を表した。この原則のどれをとっても日本の中国抑止用駐屯の開設を予感させるものではないように思われる。ところが産経新聞によれば、今年度内にも建設は着工される方針が固められている。

両国首脳が仲良く握手を交わしている背景でこの声明は論理性に欠いたものとはならないだろうか。日本はこの措置がアジア太平洋地域で中国に対抗したものであることを隠そうともせず、なぜこれを急がざるを得ないのだろうか?

ストレリツォフ教授は新たな基地の開設について、これは日本の長年にわたる外交政策の一隅を成すとする見解を示している。

「日中外交において『脅威』という文言は中国に対しては今使われていない。だが日本は国防分野ではかなり長期にわたって中国抑止の方向性での明確な軍事ドクトリンを堅持していることは忘れてはならない。安倍首相の訪中が見事成功したとしてもこれが変るわけではない。石垣島に駐屯地を開設する決定は昨日、今日にとられたものではない。これは日本が長年にわたり、強力な軍事国家を作ろうとしている外交政策の一隅を成すものだ。この路線が最も明確に形作られたのはまさに2012年、安倍氏が首相就任2期目を開始した時だ。」

ここで思いだされるのは、日本が10月、アフリカ北東部の小国ジブチに自衛隊の初の恒久駐屯基地の建設計画を明らかにしたことだ。軍事政策のグローバル化は日本を完全なる軍事大国へと変貌させているが、これは安倍氏の政治に共通する傾向に沿っている。

中国外交学院国際関係研究所の周永生教授は、この政策は検証されてきた日米戦略パートナーシップに十分に合致するものであり、これに関して日本の首相は今までひとりも疑問を呈していないと語っている。

「この政策は確固とした日米戦略パートナーシップに十分に合致するものであり、この関係について疑問を抱いた者はこれまで日本の歴代の首相の中で誰もいない。これは実際には、この先日本は米国のミサイル防衛システムに入るという明確な方向性を持つ傾向だ。この行動の目的は3つの国の抑止であり、ロシアを北から、北朝鮮を東から、中国を南から抑え込むものだ。」

つまり、日米は軍事協力問題では地域の共通の脅威に対して「手を携えて防衛する」が、経済においては日米には一定の意見の相違どころか、米国による関税導入などネガティブさえ存在する。この他にも日本の予想を裏切り、安倍首相は日本経済の停滞問題を解決してくれるものとして大きな期待をかけていたTPPを米国は離脱している。

ストレリツォフ教授は安倍首相が「中国と仲良く」せざるをえない理由はまさに経済的関心からと説明している。これは安倍氏の今の外交政策では2番目に重要な事項だ。

「現在、日本は対外政策で外交術を駆使している。一方で対中関係は実際、はっきり改善に向かっている。安倍氏は北京訪問の結果に満足の意を示した。もう一方で新駐屯地の開設は、これは米国に対する明確なシグナルだ。日米の中国抑止戦略は依然として米国の政策の根底に横たわり続けており、これは安倍氏が中国訪問を成功させても変わりない。」

一方で周永生教授は、日本の石垣島への新駐屯地開設計画は今の日中関係に著しい影響を及ぼさないとの見方を示している。

「中国は石垣島の八重山諸島に対する主権を表明してはいない。八重山諸島はかつて中国に属していた。だが後に日本が合併し、第2次大戦中は米軍に使われた。戦後、米国は諸島を中国に返還しようと考えた時期もあったが、蒋介石がこの提案を受け入れなかったため、米国は日本に諸島の行政権を引き渡した。中国はこの領域の管轄権を復権しなかったため、この問題には合理的にアプローチすべきだと思う。」

安倍氏の今の外交、具体的には7年のブランクを経て中国を公式訪問したことは、何よりもまず合理性を大きく示すものだ。日本は自国の安全保障と経済的利益の間でうまくバランスを取ろうとしている。

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軍事, 軍事演習, 日本, 中国
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