23:32 2019年05月26日
露日首脳会談

安倍・プーチン会談:ニュースがないのは良いニュース?

© Sputnik / Aleksey Druzhinin
オピニオン
短縮 URL
アンドレイ イルヤシェンコ
381

どうやら、今回の安倍首相の訪露にあたり、日露首脳は、平和条約交渉に関係する情報や判断、評価について外に広めることを控えるという点で、これまでどおり一致しているようだ。

スプートニク日本

プーチン大統領はクレムリンでの記者発表にあたり、「この先、相互とも受け入れられる解決策を見つけるための条件を形成するにあたり、細かく慎重な作業をしていくことになります。課題は、質の高いレベルで、日露関係を長期的で多面的に発展させることです。そして当然ながら、交渉で提案される解決案というのは、ロシア国民にとっても日本国民にとっても受け入れられる、両国の社会から支持されるものでなければなりません」と述べた。これはじゅうぶんにスタンダードな、いつものお決まりのセリフであり、交渉における何らかの進展のヒントを示すものではない。

安倍首相は、今回の会談にポジティブな評価を与え、シンガポールでの日露首脳会談で合意した、1956年の共同宣言を基礎とした平和条約交渉について、先週1月14日に行なわれた日露外相会談で開始したことを歓迎した。

安倍首相が記者発表で唯一明らかにした具体的な合意事項は、日露の外相が2月に会談するということであり、それはドイツ・ミュンヘンでの安保会議の際に行なわれるかもしれない。また、日露首脳の特別代表による交渉も行なわれる。

安倍首相はG 20サミットが開かれる6月にプーチン大統領を日本に招くことも明らかにした。安倍首相はプーチン大統領が首脳会談だけでなく日露交流年の閉会式に参加することを望んでいるようだ。

もしプーチン大統領の日本訪問の際に両者が相互に受け入れ可能な解決策を見出せないとしたら、そのことは参議院選挙で自民党にとってマイナス要素になるだろう。増税で苦しんでいる市民には何らかの前向きなニュースが必要である。ロシアはこのことを理解している。

歩み寄り案を練るためには、もう5か月しか残っていない。この期間の間に最低でも、平和条約締結問題のための基礎文書である日ソ共同宣言の解釈を一致させなければいけない。日本とロシアは今のところまだ、共同宣言9条をそれぞれに理解しており、現在、法的に、南クリルの主権は誰が有しているのかという、基本的な部分で意見が対立している。

外相がこの問題を独立して解決することはできない。これは国家首脳レベルの問題であるが、今回のモスクワにおける会談ではどうやら、互いの立場をその理由を述べただけのようだ。時間の経過はプーチン大統領に味方するわけだが、すでにプーチン大統領は現在の地位に18年以上もいるわけなので、彼は交渉のための交渉ではなく、まさに具体的な結果を出そうとしている。

それ以外にも、両国首脳は、なぜ妥協策を見出さねばならないのか説明に追われるかもしれない。例えばロシアでは、何故日本との平和条約が必要なのかほとんどだれも理解していない。平和条約なしで70年以上も普通にやってこれたからだ。その一方で、南クリルをロシア領としたことを意味する第二次世界大戦の結果については、8割以上の国民が誇りに思っているのだ。

公に発表するための妥協の根拠は、安倍首相にとってもプーチン大統領にとっても、重みと説得力があるものでなければならない。これもまた、両国首脳にとって、合意すべき分野である。

タグ
露日関係, 安倍晋三, ウラジーミル・プーチン
コメント・ガイドディスカッション
Facebook経由でコメントスプートニク経由でコメント
  • コメント