18:16 2019年09月22日
日本の児童虐待 悲観的な統計とその原因

日本の児童虐待 悲観的な統計とその原因

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日本では出産率の低下が最も深刻な社会問題だが、そうした一方で子どもの躾に関する恐ろしい事実も見受けられる。警察庁と児童相談所の調べで昨年2018年の児童虐待の被害者の数が過去最多を更新したことが明らかになった。昨年1年だけで日本で摘発された児童虐待件数は1380件に及び、そのなかで1394人の子どもが被害に遭っていた。

スプートニク日本

日本といえば常に、世界で最も安全な国という評価を勝ち得てきたが、今年2019年も児童に対する暴力、虐待例は依然として起きている。スプートニクは日本で研修中のロシア人心理学博士、ナジェージダ・マズーロヴァ氏に取材し、何が原因でこうした社会現象が起きているのか、解明を試みた。

モスクワ精神分析学研究所のマズーロヴァ教授は今、『日本人家庭の心理』という本を執筆中。今までにロシアの、そして日本に暮らす国際結婚のカップルのコンサルタントを行ってきた。マズーロヴァ教授は日本に頻繁に足を運ぶ中で児童虐待が頻発する問題について自分なりの見解をまとめてきた。

「これは常にメンタリティーの問題で、イライラ、ストレスを抱えた人間がどういう行動に出るかは、国によって状況が違うということです。ロシアでも児童虐待の状況は確かに複雑です。ただし、形としてはあまり美しくはないものの、表で、また電車、バスの中で相手をののしることからお隣さんとの喧嘩まで、暗黙の了解で許されているストレス解消法があります。ところが日本では伝統、文化からそうした行動に出ることはできません。このため、その日1日で蓄積されてしまった否定的な感情は家に帰ったとき、家族を相手に爆発するのです。」

日本での家庭内暴力は決して今に始まったものではない。だが日本政府はまさに今、この問題に注視し、必要な方を採択し、児童相談所の職員らが各家庭を回って、被害に遭った子どもを保護しようと努めている。

「日本は西側のイデオロギーの強い影響を受けており、児童虐待問題への新たな視点が社会に出現しつつあります。警察庁のこうした統計が取り上げられるようになりました。ということは問題が公に知られ、プレスでの論議の対象になりつつあるということです。これに加え、日本の警察は非常によく機能している。ですから児童虐待問題は次第に解決され、統制されていくはずだと私は考えています。」

この問題の中心にあるのは疑いもなく、暴力が子どもの感情、成長ひいてはこの先の対人関係に影響を及ぼすという人間的、人道的な問題だ。国連児童基金(ユニセフ)とその東アジア、太平洋地域課のダニエル・トゥル課長は、未成年者への虐待に何ら手を打たない場合、これは世界経済にまで影響を及ぼすことに注意を喚起している。

児童への暴力が東アジア諸国にもたらす損失は年間2090億ドルにものぼる。この数値は東アジア地域全体のGDPの2%に値する。世界経済フォーラムのサイトに掲載された「児童虐待の経済に与える影響」と題された記事では、東アジア地域は世界の中でも未成年者に対する性犯罪の影響で住民の不健康状態が最悪の水準にあることが指摘されている。

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