18:47 2020年10月23日
オピニオン
短縮 URL
1122
でフォローする

NHKが実施した世論調査によると、安倍内閣の不支持率は2012年12月に第2次安倍内閣が発足して以降、最も高くなった。通信社「スプートニク」は、なぜいま不支持率が最も高いのか、また具体的に何が日本の有権者たちに影響を与え、政府の活動に関する有権者の意見を形成しているのかについて専門家たちの見解を聞いた。

ロシア科学アカデミー・世界経済国際関係研究所・日本経済政治部のヴィタリー・シュヴィトコ部長は、安倍内閣の支持率にはまず安倍首相の新型コロナウイルス対応への国民の不満が影響を与えているとの見方を示し、次のように語っている-

「あまりにも緩いコロナ対策に不満を抱いている人もいれば、その反対に生活に支障が生じる厳しすぎる措置に窮屈さを感じている人たちもいる。だがこれは当然のことだ。なぜなら誰もが自分にとって極めて馴染みがなく、不便な状況に不満を抱いているからだ。またさらに日本の経済状況が改善されないこともネガティブな気分に追い打ちをかけた。新型コロナの感染拡大時、多くの日本人、特にサービス業で働く人たちは収入が急減したため金銭面で苦しんだ。」

ロシア科学アカデミー・極東研究所・日本研究センターのワレリー・キスタノフ所長も同じ見解を表している。またキスタノフ氏は、現在、安倍首相とそのコロナ対策は一般の日本人の不満だけでなく、野党側からも強い批判を受けているとし、次のように語っている-

「日本は新型コロナの第1波を最小限の損失で乗り越えたにもかかわらず、国民の不満や野党による批判といったことが生じている。なおウイルスとの戦いは、日本の医療制度のいくつかの欠点があぶりだした。感染拡大が始まった当初、マスク不足が起こった。だが安倍首相はマスクが不足することはないと約束していた。しかし、時間がかかるお役所的な仕事や一定の技術的および組織的な問題により、短時間ではあったが、マスク不足は存在した。加えてコロナの流行は経済の問題を浮き立たせた。安倍首相は、アベノミクスが国を安定した経済発展の軌道に乗せると述べていた。しかしアベノミクスの戦略は、新型コロナが流行せずとも国民の期待に応えることができず、成果はまったくなかった。デフレも克服されておらず、新型コロナの流行は日本経済の状況をさらに悪化させた。」

シュヴィトコ氏は、安倍内閣の支持率を上げる最も確実な方法は経済状況を改善することだと考えている。同氏は次のように語っている-

トランプ氏
© AP Photo / Evan Vucci
「人々が経済は以前の水準で活動し、再び景気が後退する危険性はなく、以前の生活や明日の確信が『もとの状態に戻る』と感じれば、有権者の一般的な気分は間違いなく改善されるだろう。国民の精神的イライラはおさまり、人々は当局の決定に対してより寛容になるだろう。しかし、いま安倍首相が自身の立場を強化するために議会を解散して総選挙を行うなどの突発的な行動を起こすことはおそらくないと考えている。」

キスタノフ氏は、コロナの点からみて状況は困難だったにもかかわらず、野党の追及から逃れるために安倍首相は国会の会期を延長しなかったと指摘し、次のように語っている-

「経済の問題が蓄積し、新型コロナ第2波の可能性もあるため、国会の会期延長に賛成の声があったにもかかわらず、安倍首相は会期を延長しなかった。また同時に、安倍首相が賭けに出て衆議院の解散・総選挙を表明するかもしれないという予想も実際にあった。しかし私は、そのような事態の成り行きもこの選挙における安倍首相の勝利を保証することはないと考えている。汚職や経済、外交政策などの問題に新型コロナ流行に関する不満も追加され、安倍首相はあまりにもたくさんの問題や一連の失敗を『引きずっている』。現在、2021年9月の任期満了までに安倍首相に良いことが起こる保証は一切ないと考えている。」

安倍内閣の不支持率が最も高くなる前にも、河井克行前法相とその妻を巡るスキャンダルによって安倍首相の立場は大きく損なわれた。河井夫妻は公職選挙法違反(買収)の疑いで逮捕された。東京オリンピックの開催は安倍内閣に新たなイメージや経済的利益をもたらした可能性があるが、新型コロナウイルスがこの計画を邪魔した。専門家らは、新型コロナの第2波到来が、安倍内閣の支持率をめぐる状況をさらに悪化させる可能性があるとの見方を示している。

関連記事

この記事に示された見解はスプートニク編集部のものとは必ずしも一致していません。

コメント・ガイドディスカッション
スプートニク経由でコメントFacebook経由でコメント
  • コメント