SP独占インタビュー・冬季デフオリンピック③ 「32年ぶりのロシア」全日本ろうあ連盟スポーツ委員会国際事業部の大杉豊氏

© 写真ロシア連邦西シベリア北部のハンティマンシスク
ロシア連邦西シベリア北部のハンティマンシスク - Sputnik 日本
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3月28日から4月5日まで、ロシア連邦西シベリア北部のハンティマンシスクで第18回冬季デフリンピックが開催され(アルペン競技のみマグニトゴルスクで開催)、世界27カ国からスポーツエリート344人(男性251人・女性93人)が一堂に会し、日ごろの努力の成果を競い合った。日本代表団に同行した日向寺康雄アナは,総務として団を支えた日本ろうあ連盟スポーツ委員会国際事業部の大杉豊氏に話を聞いた。

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Q/今回のオリンピックを振り返って、その印象を少しお話し頂けますか?

A/決して華やかではないけれど8年ぶりに(記者註;2011年スロヴァキアでの大会が開幕直前に中止になったため)選手が集い腕を競い合うに十分すぎる競技環境が用意されていたことに感動しました。開会式やメダルセレモニーでウクライナ選手の無言の抗議がありましたが,それでも競技会場やホテルではウクライナの選手もロシアをはじめとする各国の選手と仲良く話し合う光景に接することが出来てほっとしました。日本選手団は持てる力を精一杯出し切ることが出来て幸せです。メダル数も過去最高となり(記者註;金3銀1銅1),日本の仲間に大きな感動をもたらすことが出来たと思いますが,何よりも重要なのはハンティ・マンシスフクとマグニトゴルスクの街で腕を競い合えたことの記憶がいつまでも残ることだと強く感じています。

Q/主催国としてロシアの準備、対応ぶりはどうでしたか?

A/短期間で準備せざるを得なかった(記者註;ほぼ2年前に開催が決まった)という事情を私たちは十分に理解しています.現地に到着してもしばらくの間は本当に開催されるのか不安でしたが,開会式で全ての不安が吹っ飛びました.それまで山のように積まれているように感じた様々な問題も開会式をきっかけに瞬く間に解決されて行ったような気がします。そして,ロシアの皆さんが実は入念に準備をされてきたことを知るまで時間はかかりませんでした。大会のロゴ入りのウェアや(ホテルの)食事券などからも明らかですが,それ以上にハンティマンシンスクの大学生などが何ヶ月も前から手話を学び,大会運営のボランティアとして準備して来られたことを知った時はほんとうに心が温まりました。大会を成功に導いてくださり,私たちに心温まるおもてなしを頂いたことを本当に嬉しく思いますし,このことを日本のたくさんの人たちに伝えたいと思います。

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Q/実は大杉さんは、32年前、ソ連(ペレストロイカ)時代にモスクワを訪れ、ろうあ者劇場や全ロシアろうあ者協会を訪問した事があるそうですね。モスクワ滞在は、帰国前のほんの半日足らずでしたが、久しぶりのロシアはいかがでしたか?

A/ずいぶん変わりましたね。様々なものがロシアに入ってきているのでしょうが,それでも昔のロシア的な雰囲気が特にモスクワで感じられました。地下鉄のエスカレーターは32年前と全く同じでした。ボックスがあって(記者註;安全監視係の)おばさんが中に座っている光景も32年前の記憶を呼び起こすに十分すぎました。表面的に欧米化したかもしれませんが,それでもロシアの古き良き伝統が残されていると思いますので,また別の機会にゆっくり行ってロシアの文化を堪能したい気持ちに駆られます。

大杉氏は、多忙のため閉会式に出席する事が出来ず、選手団より一足早く帰国した。閉会式の様子は、ご自宅で御家族と一緒に以下のサイト(地元テレビ局制作・英語字幕・ロシア語手話通訳画像あり)を通じ、ゆっくりご覧頂きたい。日本選手団の大活躍を支えた裏方としてのお仕事の数々、本当に御苦労様でした。

http://2015deaflympics.ugra-tv.ru/?p=1810

http://ugra2015.com/ru/broadcast/torzhestvennaya-tseremoniya-zakrytiya-igr/

 

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