アジア太平洋地域の統合プロセス、中国が米国をリード

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10年に及ぶ交渉が実を結び、豪州と中国が、FTA(自由貿易圏)創設を宣言した。今回調印が成ったことで、両国の相互貿易・投資は弾みを受け、経済成長が促進されるだろう。

豪州は農産品の対中輸出増大を期待し、中国は電子機器・自動車の販売増を楽しみにしている。経済統合というのはアジア太平洋地域全体の顕著な傾向であるけれども、やはり豪州と中国のFTA創設の意義は大きい。

中国の高虎城・商務大臣は調印式後の会見で、今回の協定が、かつて中国がどの国とも結んだことのない高度な貿易自由化を予定していることを指摘した。豪州のトニー・エボット首相もこれに同意し、「両国は相手の市場にかつてなく自由にアクセスできるようになる」として、協定を高く評価した。合わせて豪州首相は、中豪FTAはアジア太平洋地域全体を前進させる、画期的なものであると讃えた。

「豪州と中国は、自分自身を成長させつつ、地域全体も成長させる、新しいゲームのルールを作る気構えを示した」。そう語るのは、現代成長研究所のニキータ・マスレニコフ氏である。

「中豪FTAの成立は、経済的なパワーの中心がこのアジアに移っているということの証左だ。アジア太平洋地域諸国はいま、二国間関係を新たなレベルに引き上げ、それに相応しい法的形式を与えることを望んでいる」

米国とEUはBRICSの活動を妨げる政策をとっている - Sputnik 日本
米国とEUはBRICSの活動を妨げる政策をとっている

中国は豪州とのFTA調印を断行し、自由貿易圏をめぐる二国間合意のネットワークを拡大することによって、アジア太平洋地域における経済的リーダーシップを保つ方向へ、大きく前進した。これと対照的に、米国は長引くTPP交渉で敗色を濃くしている。

中国は、豪州と並ぶ、地域における米国の軍事・政治上の最重要同盟国である韓国とも、今月1日、FTAを発効させている。軍事の方面では、中国はまだ米国に匹敵する陣営を構築できていない。しかし経済の方面では、中国の「米国締め出し」はますます確固たる足取りになっている。

米国のオバマ政権は、「アジア回帰」の一環として、TPP構想を進めている。強いドル、高い競争力を誇る米国製品があるから、TPPプロジェクトは成功間違いなしと、米国は確信していた。しかし中国には、アジア太平洋地域の統合プロセスについて、これとは異なるビジョンがある。

米国の秘められた狙いは、アジア太平洋地域の統合プロセスから中国を排除し、米国のルールを押し付けることにあるのではないか。そう見て取った中国は、独自の統合プロジェクトを描き、二国間で、また多国間で、それを活発に推進している。たとえば中国は、ASEANパートナーシップの枠内で、アジア太平洋地域全体をカバーする自由貿易圏の創設という計画を進めている。中国の提唱でアジアインフラ投資銀行が設立されたことも記憶に新しい。これらのことを見る限り、アジア太平洋地域の統合プロセスにおいて、中国の担う役割はますます顕著なものになりそうだ。

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