34歳男性、仕事辞めアイヌの狩猟文化を現代に

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北海道平取町の門別徳司氏は2015年、10年以上続けた建設関係の仕事を辞め、狩猟の道で生きていくことを決めた。アイヌ民族の血を引いており、「アイヌはもともと狩猟民族。その文化を継承する者として、現代社会でどのような生き方ができるのか、実践してみたい」。共同通信が報じた。

子供のころから狩猟者は身近な存在で、仕留めたシカを自宅に持ってくる近所のハンターに憧れていた。30歳で狩猟免許を取得。会社勤めの傍らベテランのハンターからシカ猟を学ぶうち、狩猟で生計を立てたいとの思いが募った。妻に伝えると「3人も子供がいるのに大丈夫なのか」と大反対に遭った。

説得して専業のハンターとなり、「子供の頃遊び場だった山が、職場になった」。軽乗用車で山道を回りながら獲物を探す「流し猟」を行う。車中から、シカの新しい足跡に目を凝らす。

北海道ではシカの食害が深刻で、自分の仕事が農家に感謝されることもやる気につながっている。ただ、年や季節によって仕留められる頭数は異なり、収入も不安定だ。平取町は、害獣駆除でシカ1頭につき1万2千円を支給。食肉用に卸すと、さらに8千~1万円得られるが、車の燃料や銃弾など経費もかかる。

山菜やマツタケを採って生計の足しにするほか、シカの骨や角を使った工芸品を販売。シカの部位で道具を作るイベントも仲間と企画し、食肉以外の活用法を探る。

シカ肉はほぼ毎日食卓に並ぶ。「自分の手で仕留めたものを口にするからこそ、動物への感謝の気持ちが湧く」。カムイ(神様)が獲物を贈ってくれるとのアイヌの思想を実感するという。

猟の前には、毎回儀式を行う。シラカバの皮に火をくべて目を閉じ、静かに唱えた。「シランパカムイ、エチエネプンケネ(森の神様、見守ってください)」

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