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米国が強硬な反中政策に日本を引き込めないのはなぜか?

© AFP 2021 / Tim Kelly沖縄にある米国と日本の旗
沖縄にある米国と日本の旗 - Sputnik 日本, 1920, 08.04.2021
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日本、中国、そして欧州諸国は、トランプ前大統領が始めた米中戦争が、少なくとも多少落ち着くよう、新たな米政権に大きな期待をかけている。しかしバイデン大統領の就任とともに、米中の対立は逆により一層激しさを増している。

バイデン大統領が、それでなくてもくすぶり、その火花が複数の大企業の経済損失の危険を持つ「米中関係の間の火」にいかにして油をそそぐことになったのか、「スプートニク」は専門家に話を聞いた。

トランプ大統領の成果を無にするバイデン大統領

米新政権が、新疆ウイグル自治区の少数民族、ウイグル人に対する人権侵害問題を、より積極的に取り上げるようになったのを受け、中国と欧米諸国との緊張感は急速に増している。そしてその結果、中国におけるウイグル人の地位に関する熱い議論は、経済にも影響を与えるようになっている。

米国は、新疆ウイグル自治区での強制労働を懸念し、新疆綿の不使用を表明した外国企業を批判したとして中国を非難している。これに対し、中国のインターネットユーザーたちは、ナイキ、アディダス、H&Mなど欧米のブランド製品の不買運動を呼びかけた。

一方で中国はH&Mにとって、5大市場の一つであり、2020年の売上総額の5.2%を占めている。

そこで、H&Mは、中国の「政治路線に介入した」ことに対して罰則を受けた外国企業の大きな例となった。

尖閣諸島 - Sputnik 日本, 1920, 02.04.2021
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中国問題の専門家で、モスクワ国際関係大学と高等経済学院の教授であるセルゲイ・ルジャニン氏は、バイデン政権は、中国との貿易戦争においてトランプ前大統領が達成したことを無にしつつあるとの見方を示している。「トランプ氏は大統領時代、典型的な大富豪の実業家として行動しました。彼は米国を国際企業とみなし、中国との貿易戦争でも、米国のビジネスを最優先させ、政治や経済を混同することなく、はっきりと明確に中国に圧力をかけたのです。これはそれなりのロジックを持つものであり、トランプ前大統領は中国から経済的な譲歩を引き出すことに成功しました。しかし、バイデン政権は経済に思想的な要素をからめ(ジェノサイドに対する非難)、中国を国際社会において、政治的に孤立させようとしています。それにより、両国関係の溝はさらに深まっているのです」。

問題のレベルを引き上げる米国

ルジャニン氏は、今回の事件は、米国が中国との地政学上の対立において、その問題のレベルをより高いものにしようとしていることを証明していると指摘する。「米政府は、これまでと同じ手法で、そして実際、中国にとっては痛みを伴わない形で人権侵害を非難するのをやめたのです(トランプ政権時代の2018年には国連が、中国政府が民族的少数派を収容所に送り込み、強制労働させているとした声明を表した)。新政権は、民族的少数派に対する弾圧をジェノサイドだと認定した上で、欧米全体で反中国包囲網を形成するというやり方に移行しているのです。米国はこうすることによって、新たな国際的な流れを作り出し、中国に対する非難を国際レベルに引き上げようとしています」。

関係のリセットは行われず

このように、中国に対する新たな、そしてより「粘り強い」米国の戦略が形成されていることは明確であるが、しかしこの戦略は今のところ、まだまったく不完全であり、熟考されたものではない。このことは3月にアンカレッジ(アラスカ州)で開かれたバイデン政権初の米中会談でも証明されたとルジャニン氏は指摘する。「米政府高官たちは会談の冒頭から、中国に対する非難を浴びせ、(新疆ウイグル自治区、香港、台湾、サイバー攻撃などを指摘)中国に対する「襲撃」をかけました。これに対して、中国側は、米国は自国のイメージを改め、自らの民主主義を世界各国に推し進めるのをやめるべきだと反発しました。結果、この会談は、事実上、非難合戦となり、満足のいくものとはなりませんでした」。

北朝鮮 バイデン政権に挑戦状を叩きつけ、対話を拒否か? - Sputnik 日本, 1920, 02.04.2021
北朝鮮 バイデン政権に挑戦状を叩きつけ、対話を拒否か?
このように、両国は緊張した舌戦を繰り広げただけで、関係改善のためのスタートを切ることはできなかった。こうした展開からも、米国は積極的に、アジアや欧州諸国を取り込みながら、中国に対する国際的な制裁を押し進めていくだろうと推測することができる。

対中国包囲網の中に日本の姿はあるのか?

米国は、中国による人権侵害はジェノサイドであるとの立場を明確に示している一方で、日本政府はこの問題について、今のところ、中国を非難する立場を明らかにはしていない。

これについて、政治学者で、国際関係問題に詳しい、日本研究者のドミトリー・ストレリツォフ氏は、こうした慎重な姿勢は、菅政権が互いに相容れない複数の外交問題を同時に解決する必要に迫られていることで説明がつくと述べている。「日本政府は安全保障という理由から、日本にとってもっとも重要な米国との関係を強化する必要があります。しかし、経済的には、中国やその他の地域のパートナー国との関係を改善していく必要があります。しかも、日中関係は、阿部政権時代にようやく上向きになり、両国の貿易高にも良好な影響が現れるようになったのです。このことを考慮すれば、日本政府が公然と厳しく、中国を非難することは難しいでしょう。そこで、日本政府はいわば『すべての卵を1つのカゴに入れないよう』、米国とも中国とも関係を悪化させないよう注意しながら、うまくバランスを取ろうとしています」。

共通の歴史の教訓

一方、セルゲイ・ルジャニン氏は、日本が中国に対する人権侵害に対する非難や制裁を支持しないのは、慎重さからだけではなく、メンタリティー上の理由もあると指摘する。

「日本政府が、米国との同盟関係を維持していくことは疑いようのないことです。しかし、中国との間の共通した『アジア的アイデンティティ』により、日本は中国に対し、一線を超えて、あまりに急進的な措置を取ることを躊躇わせています。どちらの国も(競争や領土問題はあっても)メンタリティ的には近いものがあり、何世紀も共存してきたからです」。

またルジャニン氏は、日本の政治家は、20世紀の前半、日本が世界のアジア大国になろうとしたことを忘れていないと指摘する。日本は、中国との問題は「戦争につながる恐れがある」ことを直感している。そこで歴史から教訓を得た日本政府は、地域の情勢悪化と中国との経済関係への悪影響を回避するため、米国による中国への(人権侵害問題に対する)攻撃から距離を置こうとしているのである。

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