ロシアの研究者　藻類と廃棄物からバイオオイルを開発

カント・バルト連邦大学（ロシア西部カリーニングラード）の研究者らは、廃棄物と海藻からバイオオイルを製造する技術を開発した。この研究内容は、同大学のプレスリリースで発表されている。バイオオイルとは、農業や林業の廃棄物などの有機素材から生成されるオイルのこと。この技術は、温室効果ガスの排出や有機汚染の削減、化石由来の石油の消費量の削減に期待できるという。

同大学の研究者らによると、バイオマスからオイルを製造する方法は、従来の石油形成方法の工程をベースにしている。

同大学の生活システム研究所のユリア・クリコワ研究員は、「我々の技術におけるバイオマス源は、大型の藻類、余剰汚泥、下水汚泥、木材廃棄物。このバイオマスは湿り気があるため、オートクレーブ型の反応器で260～300度で加熱し、反応器内の圧力は3～6メガパスカルまで上昇する」と説明している。この過程で、大きな有機分子の結合は切断され、油のような物質が生成されるという。

この実験で用いるバイオマス（藻類）

© 写真 : Press office of IKBFU

クリコワ氏によると、今回開発された方法だと、有機廃棄物のリサイクルを確実にし、バイオマス分解による温室効果ガス排出を削減し、化石由来の石油の一部をカーボンニュートラルとして認められているバイオオイルに置き換えることができるという。

これよりも前、ロシアの極東連邦大学の研究者らは、低温条件下で海水から石油を吸収できる微生物を日本海で発見したと発表した。