ロシア　神経外科手術のためのリモート技術が開発

ロシアのニューロスプートニク社が、ロボット外科医用のハプティックス（触覚フィードバック、触覚を遠隔で伝送する技術）の開発を発表した。この技術を用いることで、医者は患者の組織に接触している医療用カテーテルの抵抗や振動を、あたかも手に器具を持っているかのように感じることができ、世界中どこからでも手術が行える。

この触覚フィードバックの技術は、LevshAIシステムのために特別に開発された。LevshAIはロシアの作家レスコフの名作でノミの足に蹄鉄を打つほど精巧な仕事ができる名匠の話、『左利き』（レフシャー）からとられている。LevshAIは心臓や脳の手術のためのハードウェアとソフトウェアがセットになっており、医療器具の先端に取り付けられた特殊なセンサーは抵抗を測定し、その情報が医師が手に持つコントローラーに送られる仕組みになっている。

ニューロスプートニク社の代表取締役の話では、「レフシャー」は触覚フィードバックを正確にシミュレートできるため、外科医は脳血管内に機械的な抵抗があるときや、カテーテルが血管壁につき当たったときにそれを感じることができる。さらに機械的な抵抗の強さと方向に関する情報はライトバーで拡張現実上の画面で視覚的に受け取ることができる。ニューロスプートニク社は、脳血管内治療を遠隔で行う同様のシステムは世界にはないと強調している。

「レフシャー」を用いた外科手術方法は？

医療ロボット「レフシャー」は遠隔操作で血管内手術を行うために開発された。こうした手術では臓器へのアクセスは切開するのではなく、鼠径部の小さな開口部から行われる。そこにカテーテルを挿入し、血管を通して脳や心臓に到達させて治療を行う。この方法を用いると手術による外傷性が著しく軽減され、その結果、回復にかかる時間も短縮される。

「レフシャー」はまた、手術前と手術中に人工知能を広範に用いる。患者の血管を3Dでシミュレートし、指の震えを調整し、危機的状況を判別することができる。

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