07:11 2021年09月25日
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北朝鮮で開かれていた朝鮮労働党第8回党大会で報告を行った金正恩総書記は、核兵器を中心に軍事力を強化していくとの考えを強調した。金総書記は、大陸間弾道ミサイルの命中精度を高め、分離弾頭式のミサイルを製造し、小型核兵器を開発し、また超大型核弾頭(強大な威力を有すると見られる)の生産を開始すると述べた。さらに金総書記は、原子力潜水艦の建造に向けた準備作業が完了したことを明らかにし、「最終確認」が行われた後、北朝鮮初となる原子力潜水艦の建造に入ると述べた。

しかし北朝鮮は原子力潜水艦を建造することができるのだろうか?そして仮にできたとして、それはどのような原子力潜水艦になるのだろうか?

科学技術面では大きな問題はないと思われる。北朝鮮の核物理学者らの多くが、連鎖反応の制御の原則や原子炉の設計の基礎をソ連で学んだことはよく知られている。こうしたデータは科学雑誌等で公にされているものである。

また、北朝鮮の核物理学者らはソ連で製造されていた初期の艦船用の原子炉、VA–A型(原子力潜水艦用)やOK–150型(原子力砕氷艦レーニン用)の詳細を知っている。これらの原子炉は1950年代に開発されたもので、VA–Aには濃縮度21%、またOK–150には濃縮度5%の濃縮ウランが使用された。原子炉VA–Aの出力は70メガワット、OK–150の出力は90メガワットである。燃料の重量は、OK–150型の原子炉で、75キロから85キロであると公表されている。

以上のことを踏まえれば、北朝鮮が原子力潜水艦を建造することは十分に可能であると言える。まず、科学的データや寧辺核施設での原子炉稼働は、艦船用の原子炉を設計するには十分であること。次に、専門家の評価によれば、2016年の時点で、北朝鮮の高濃縮ウラン(濃縮度90%)の保有量は300キロから450キロ、年間生産量は150キロとなっているということである。艦船用原子炉に必要な燃料の生産は、核弾頭の製造分を削減すれば可能である。

北朝鮮の原子力潜水艦はどのようなものになるのか?

韓国の専門家らは、北朝鮮の潜水艦は、排水量5,000〜6,000トンで、12基のミサイルを搭載することができるものになると推測している。初期の弾道ミサイル原子力潜水艦の性能は概ねそのようなものであった。ソ連の原子力潜水艦667型(搭載ミサイル12基)は排水量7,800トン、全長139メートル、また658型(搭載ミサイル3基)は排水量5,588トン、全長114メートル、一方、米国のジョージ・ワシントン級原子力潜水艦(搭載ミサイル16基)は排水量6,888トン、全長116メートルであった。

しかしながら、こうした評価は現実的なものだとしつつも、別の見方もある。まず、北朝鮮の原潜はもう少し小さいものになるのではないかという見解である。もっとも小さな原子力潜水艦は米国のNR–1で、排水量はわずか400トン、全長45メートルというサイズであった。

また、ソ連海軍には、ディーゼルと電気を動力とする小型の潜水艦があった。629型(搭載ミサイル3基)は排水量2,820トン、全長99メートル、611AB型(搭載ミサイル2基)は排水量2,600トン、全長90メートルであった。北朝鮮が1990年代初頭に兵装のない629型潜水艦を購入したことは周知のことである。

弾頭ミサイル搭載の原子力潜水艦の建造の経緯を見れば、基本的には原子炉1基を備えた排水量3,000トンレベルの潜水艦を建造することは可能である。排水量が6,000トン以上の潜水艦には通常、2基の原子炉が備えられており、3基のミサイルを装備することが可能である。

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軍事, 北朝鮮, 核問題
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