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    なぜ日本は、米国に原爆投下に対する謝罪を求めないのか?

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    1945年8月6日に広島、そして8月9日に長崎に、米軍が原爆を投下してから、今年で70年になる。両市の市長は、米国に対し謝罪を求めているが、日本政府は、そうした謝罪の必要性はないと考えているようだ。

    当時広島と長崎では、何十万もの人々が亡くなった。そしてその後も長い間、さらに何十万もの人々が、放射線障害に苦しみ亡くなっていった。そうした犠牲者の大部分は、一般市民だった。この事は、人島と長崎への原爆投下が、戦争犯罪である事を意味している。しかし米国は、日本国民に謝罪をしてこなかった。そして日本当局も、日本のマスコミも、そうした謝罪を求めていないようだ。ロシア科学アカデミー極東研究所日本調査センターのワレーリイ・キスタノフ所長は「そもそも、原爆投下というテーマに対するアプローチが、とても奇妙だ」と考えている。彼は、ラジオ・スプートニク記者の取材に対し、次のように述べたー

    「このテーマに対する日本のマスコミのアプローチは、とても一面的だ。なぜ米国が、ああした野蛮な戦争遂行手段に頼ったのだろうかという原因究明の試みは、事実上なされなかった。反対に、日本のマスコミや政治家達は、あらゆる方法でこの事実を避けているが、その中には、たくさんの人々の命を奪った非人間的行為をしたのは誰かについて、単に口をつぐもうとの試みが見て取れる。

    原爆投下については、それがどの国によって製造されたのかといった言及はなく、抽象的に述べられている。つまり米国という名は、直接出てこないのだ。その理由は簡単だ、米国は現在、日本政府の主な軍事的政治的同盟国だからだ。そればかりか日本は、米国の核兵器に苦しんだ経験を持ちながら、現在米国の所謂『核の傘』の下にある。米国は、多くの日本人にとって、中国の脅威が増している中、日本の安全を保障してくれる唯一の国と受け止められている。日本国内で中国の軍事的脅威というテーゼが誇張され、日米安全保障条約に期待が集まっている今、日本の政治家達は、原子爆弾投下に対する米国の責任という尖鋭的問題を避けて通るのだろう。」

    米国政府の公式的な立場は、広島と長崎への原爆投下は、日本の無条件降伏を早め、日本本土が決戦場となる事で米国兵や日本の一般人の多くの命が失われないよう、ああした決断をしたというものだ。しかし米国の歴史家、例えば日系米人学者であるハセガワ・ツヨシ氏は「日本が無条件降伏をしたのは原爆投下ではなく、ソ連の思いもかけない対日参戦だ」と考えている。つまり、米国の専門家も、非人間的な広島・長崎への原爆投下が軍事的に必要不可欠なものでなかったことを認めているという事だ。

    おまけに内部告発サイト「ウィキリークス」が暴露した資料によれば、2009年オバマ大統領は、広島を訪れ、日本国民に公式的に謝罪するつもりだった。この件についてオバマ大統領は、電話で藪中三十二(やぶなか みとじ)外務事務次官〈当時〉と討議した。それ以外に、当時のヒラリー国務長官の指示で米国は、日本に公式書簡を送り、その中で、原爆投下に対しオバマ大統領が謝罪する意向を伝えた。しかし、それに対し薮中外務事務次官は「そうした行為は時期尚早だ」として米国側の謝罪の考えを断念させた。薮中氏の意見によれば、広島の平和式典にオバマ大統領が出席し、米国人によるあの野蛮な行為を日本人に改めて思い出させることは、米国との軍事同盟に反対する勢力の手に切り札を与えてしまう恐れがある、との事だった。現在安倍首相は、日本の安全の重要な保証国として米国との同盟の強化に期待をかけている。それゆえ、米国が原爆投下について日本に公式に謝罪するという問題が、近い将来、提起される事はないだろうと思われる。

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