15:23 2020年10月24日
日本
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日本のマスコミは9月の第3月曜日の敬老の日に65歳の高齢者の人口に占める割合が30%に迫ったことをこぞって報じた。特に顕著なのは100歳以上の高齢者の人口増で、2020年は8万450人を数え、前年比9000人超増となった。特徴的なのはその88%が女性で占められているこということだ。日本の65歳以上の高齢者人口は3600万人(女性2040万人、男性1570万人)で2019年比で30万人増となった。この65歳以上の高齢人口は28.7%という記録的数値に達した。

この数値は日本の誇りだ。なぜなら寿命の長さは遺伝子、バランスの取れた食べ物、健康的な生活スタイルにと、生活水準、万人に手が届く高度な医療、薬理学、社会での高齢者へなんらかの働きをポジティブに表した結果だからだ。ただしどんなメダルにも善悪両がある。2019年、日本の予算の健康保健の支出は43兆6000億円にも達した。一方で75歳以上の後期高齢者の医療費は平均で95万2000円。これは75歳以下の市民の平均支出の22万6000円を4倍上回る。しかも自力では自分のケアができない高齢者にかかる費用は、これには含まれていない。

学者らは、年金受給者人口がこの先増加の一途をたどるのであれば、2040年までには人口の35.3%が年金者となり、出産率の低下を背景にこれは経済にきつい影響を及ぼしかねないと予想している。政府は健康保健、年金給付により一層の支出を迫られるため、財政システムに大きな圧力がかけられてしまう。

同時に、労働人口の減少、もっと言えば納税者人口の減少は、経済後退へとつながっていく。国際通貨基金(IMF)の出した日本の経済状況に関する分析レポートではこれは「shrinkonomics(縮小の経済学)」と名付けられ、 「急速な人口の高齢化と労働力の減少は経済成長を阻害する」と指摘された。IMFの試算では、高齢化で日本のGDP平均成長率はこれからの30年で1%下がる。同時に、日本政府のこれらの諸問題の解決に取り組むあらゆるスペクトルを見ると、IMFは類似した傾向に突き当たっている諸国にとって日本は格好の実験台だと指摘した。

しかも日本の高齢者は世界に名高い日本の「ワーカーホリック」の伝統を守り続けていることがわかった。日本生命が8月に行ったオンライン世論調査では日本人の64%が年金受給年齢後も働く意思を示しており、11.7%はなんと75歳以降も働き続けたいと意欲満々だった。

ロシア人社会学者、人口動態学者のイーゴリ・ベロボロドフ氏は、高齢化が問題となるのは健康に問題があり、知識不足または文盲から活発な労働活動を続けらることができず、これが保健システムや社会全体に重荷になる場合だとして、次のように語っている。

「社会の高齢化現象がグローバル規模で進んでいるのは出産率が低下し、子沢山家庭のケアが進んでいないからです。以前は、年金生活に移行した人々の空席はすぐに若い人たちが占めていましたが、現在は若者、子どもの数はますます減っています。このため国家も社会も高齢者自身もできるだけ長く労働に従事するかに関心があります。

日本の老年学者によれば日本は現在、生物学的観点から言うと高齢者はおよそ5~10歳若返りました。このため学者らの間からは高齢者の定義を現在の65歳から75歳に引き上げるべきだという意見が繰り返し出されています。大事なのは生物学的のみならず、心理学的観点でしょう。年金受給者でも第一線に立つ人たちは社会から必要とされる自分であり続けたいと思っています。例えば、スカンジナビア諸国では年金受給者の3分の1が働いていますが、それは年金額の不足が理由ではありません。自己実現のため、仕事をしたい一心がそうさせるのです。それにこうした状況はスカンジナビア諸国や日本だけではなく、一連の欧州諸国、アジア諸国、それに北米、南米にも顕著です。これにまだ該当しないのはアフリカ諸国だけでしょう。このため将来、高齢者に活発な社会生活が送れるよう条件作りが必要となります。柔軟な労働スケジュールの導入、生涯教育などを行って労働市場のインテグレーションを図ることが重要です。日本はあらゆる方向性ですでに動き出しています。人口高齢化がまさに日本のロボット技術の発展を後押ししていると私は思います。日本は世界に先駆けて大規模な人口動態問題に直面し、その影響を認識した国です。ですからこの状況を克服できるのであれば、他の国の手本となるでしょう。」

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