2020年は史上もっとも暑い?温暖化は何をもたらす?

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多くの研究者によると、2020年は気象観測史上もっとも暖かかった2016年の記録を塗り替える可能性があるという。もしこの予測が現実になれば、人類は新たな困難に直面することになる。気温の異常と久しく忘れ去られていた病気や蝗害がどう関係するのか。スプートニクの記事でお伝えする。

アメリカ海洋大気庁(NOAA)によると、2020年の1~3月は観測史上もっとも暑いもののひとつとなった。2016年1~3月の記録的な気温に次いで2位となったのだ。NOAAの研究者らは、2020年が史上もっとも暑い年になる確率は75%で、気温の高さで史上5位以内に入る可能性は99.9%だと予測する。

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ロシア水文気象センター研究責任者のロマン・ヴィリファンド氏の予測も同様だ。ヴィリファンド氏の予想では、2020年の夏の気温は史上2位か3位になる可能性があるという。ヴィリファンド氏:「気温が高くなることは間違いありません。99%の確率で史上5位以内に入る暑い夏になるでしょう。」

ロシアのドミトリー・コブィルキン天然資源環境相は次のように言う。「ロシア水文気象センターも、外国の水文気象局も、今年の夏は史上もっとも異常な猛暑になると予測している。」

ロマン・ヴィリファンド氏はRIAノーボスチ通信社に対して、次のように述べた。「エルニーニョ現象が発生すると、今年はもっとも暑い年になります。その確率は20~25%です。エルニーニョ現象もラニーニャ現象も発生しない「中立」になる可能性は50~60%で、その場合でももっとも暑い年になる可能性があります。」

太平洋に寒流が発生する確率は15~20%である。そうなれば、もっとも暑い年にはならない可能性がある。

2016年は暖流が極めて強かったため、それが世界的に気温に影響した。今のところ、年初からの平均気温は、2016年の世界の平均気温より低くとどまっている。

バッタ、飢餓、暴力

持続可能発展・環境健康センター長のウラジーミル・ザハロフ氏はスプートニクへのインタビューで次のように語った。「疫学者はかねてより、気象変動はあらたな感染症の発生を誘発するだけでなく、昔の感染症の復活をも誘発すると警告してきました。例えば、ロシアでは現在、マダニがかつては生息していなかったような地域にも広がっています。ちなみに、マダニに噛まれると、脳炎を含め、極めて危険な感染症の原因になります。」

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生物学者の見解 コロナ発生理由
温暖化によって各国が直面する問題は疾病だけではない。アフリカの一部諸国では、2019年末の大雨でバッタにとって最適な環境が作られた。イエメンでバッタの大群が発生し、それが後に紅海を飛び越え、エチオピアとソマリアに飛来した。現在、イラン、パキスタン、インドでバッタが繁殖している。

バッタの危険性はその食欲にある。報告によると、パリ市と同じ大きさの雲のようになったバッタの大群は、1日でフランスの人口の半分と同じ量を食べる。

バッタは農作物を脅かすだけでなく、機械までもダメにする。1月にはエチオピア航空のボーイング737が着陸のために高度を下げたところ、巨大なバッタの大群にぶつかり、エチオピア東部の都市ディレ・ダワの空港での着陸を取り止めざるを得なくなった。

世界銀行は今回の蝗害を今世代で最大と呼んでいるが、それでも大規模な第二波はまだ猛威を振るいきっていない。国連によると、アジアやアフリカの貧困国は飢餓や人道的危機に直面するという。平時であれば世界が対処できるはずだが、新型コロナウイルスで弱った国々は新たな脅威の発生に対応できる態勢にない。

このほか、多くの専門家が気温上昇と犯罪率増加を関連付けている。2014年、John P. Crank教授がこのテーマでを出版している。

どうやって地球を守る? 専門家の意見

マッキンゼー・グローバル・インスティテュートの最近の報告によると、今後10年間、自然災害のリスクを避けるために人類は新たな環境条件に適応しなくてはならないという。

近い将来、政治家やビジネス界の指導者らは環境問題をサイバー脅威と同じように重要視し、データセキュリティーと同じように自然保護を気にかけなくてはならなくなる。企業にとってこれは、予算配分と製品やサービスの開発において気候問題を考慮するということを意味する。

マッキンゼー・グローバル・インスティテュートの研究者は報告の中で次のように書いている。「今後10年間の気候変動対策が極めて重要であり続けるのみならず、気候変動に強いインフラへの投資と低炭素の未来への移行は経済と環境の回復力を高めると同時に、短期的に多くの雇用創出につながる。」

地球温暖化のスピードを少しでも抑えるために、私たちひとりひとりができることを始めることも可能だ。国が化石燃料(石油、ガス、石炭)からの脱却の道を進む中、国民はそれに先がけてよりエコロジーな生活に舵を切ることができる。自動車での移動を減らし、エコな交通手段、すなわち自転車や電気バスを使うか、徒歩を増やすなどである。これは健康にも良い

食品産業は温暖化ガス排出の25%を占めており、畜産業は15%を占める。牛肉と羊肉の生産による排出量は、鶏肉や魚の10倍、豆類の30倍である。牛肉や羊肉の消費を減らす方向に食を見直すことで、排出量を大幅に削減することができると専門家は考えている。

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