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    北朝鮮をどうしたらよいのか誰にも分からない

    北朝鮮をどうしたらよいのか誰にも分からない

    © REUTERS / Kim Hong-Ji
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    リュドミラ サーキャン
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    今週一番の話題は間違いなく北朝鮮の水爆実験だ。北朝鮮は1月6日に水爆実験に成功したとの発表で、文明社会全体から不興を買った。多くの国が平壌の蛮行を厳しく非難した。国連安保理は全会一致で声明を採択。北朝鮮は先行する安保理決議を直接的に侵害した、とした。安保理は対朝制裁を拡大する見込みだ。

    北朝鮮の核施設で何が行なわれているのか。専門家も確実な情報を手にしてはいない。それを手にしているのは一部の国の諜報機関のみであろう。しかし、原爆、水爆兵器の有無のみが問題なのではない。運搬手段も問題だ。韓国にとって、北からの核攻撃はさしたる危惧を呼ばない。南と戦うなら通常兵器で充分だからだ。しかし日本にとっては、北朝鮮が核兵器を手にすることは、決定的な脅威である。万一日本との全面紛争ともなれば、日本は北朝鮮の核兵器の最初の標的となりかねない。その脅威は、核爆弾の威力もさることながら、それをミサイルの弾頭に取り付ける能力ということにも依存する。これに関しては、データがない。ただ、北朝鮮は昨年、ミサイル兵器の実験をかなり活発に行なっていた。もしミサイルに搭載可能なコンパクトな弾頭が製造できたなら、とりわけ日本にとって、それは非常に深刻な脅威となる。

    北朝鮮がこうして核による脅迫を続けるならば、韓国や日本が安全保障のために核兵器取得に走ることもあり得る、と専門家らは言う。日本は現在非核原則を固持しているが、一定の条件のもとでは、日本が自前の核兵器の開発に取り掛かったからといって、それを非難することは困難になる。また、今回の核実験に関連して、韓国では、米国の戦術核兵器を韓国内に再配備するべきだ、との声も上がっている。もし米国がそれを拒否し、かつ北が実験を続けるなら、韓国で自前の核爆弾製造への運動が急激に強まることは疑いない。

    中朝間にも深刻な亀裂が入った。明らかに、中国の北朝鮮に対する影響力は、それほど大きなものではなかったのである。中国は、経済援助と引き換えに、過去数年よりも抑制的な振る舞いを北から期待できるものと思っていた。中国はさらに、6者協議再開プロセスを主導する意向さえ持っていたのだ。しかし中国外務省の華報道官は核実験を厳しく非難し、中国政府は実験について事前に知らされてはいなかった、と認めた。これを見ると、中国ほどの強大な隣国も、金正恩第一書記にとっては、至上命題とはならないようだ。

    北朝鮮は、何がしたいのか?世界を驚かせたいのか。世界の関心を引きたいのか。

    英国王立国防研究所の元所長、マイケル・クラーク博士によれば、北はおそらく、広く認められるということに、単純に満足しているのだという。

    「ほかの国ならむしろ秘密裡に核開発を行なうところ、北朝鮮は核兵器を旗のように振りかざし、自分を核大国と認めよ、と要求するのだ。成功するかもわからない状態で、もう実験実施を触れ回った。彼らがいかに周到にこうした宣伝を行なっているかということは、彼らの国際政治観を示している。彼らは米国や中国と同列に立ち、誰もがそれを認めることを求めているのだ。それは我々から見ると不条理なことなのだが、おそらく彼らの目からは、そうは見えないのだ」。

    1990年代韓国大使を務めたロシアのゲオルギー・クナゼ元外務次官によれば、北朝鮮はここ数年、世界のほかの紛争ばかり目だって自分が後景に退いてしまったとの考えから、再び自分に注意を集めようと決めたのだ、と韓国では考えられている。北朝鮮は、国際舞台における予測不能なプレイヤーの一人として国際的な関心の中心に位置することに慣れっこになっている。

    「国際政治の焦点が極東から中東へ、欧州へ、ウクライナへ移ると、世界を緊張させることに慣れっこになっていた北朝鮮は、注目が奪われてしまったように感じてしまったのかもしれない。だからこそ、実験を急いだのかもしれない。北朝鮮をどうしたらよいのか誰にも分からない。制裁を強めすぎるとある時点で彼らは、言ってみれば窮余の一策で、掌を返す。これは相当に困難な同義的選択だ。不適切な指導部を揺さぶるためだけに、2000万もの人々を飢え死にさせてよいものだろうか?」

    世界には核ポテンシャル増大にいそしむ国がかなり多くある。反対に、武装解除を叫び、そのために働く人たちもいる。しかし全ての理性的な人々は、核戦争を始めるのは無謀だ、と理解している。なぜなら核戦争は、それを引き起こした者をも破滅させないではいないからだ。

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    核問題, 北朝鮮
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