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    イーゴリ・モルグロフ外務次官、杉山晋輔外務審議官

    露日間の平和条約の運命は6月22日に決まるか?

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    リュドミラ サーキャン
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    6月22日、露日の作業部会の会合が予定されている。会合の課題には平和条約の基本項目の策定、合意作業が入っている。話し合いにはロシア側からはイーゴリ・モルグロフ外務次官が、日本側からは原田親仁前特命全権大使が参加することになっている。

    この会合を目前に控える形で日本でナルィシキン下院(国家会議)議長は声明を表し、「ロシアと日本の協力は不可避」と語った。ナルィシキン下院議長は、日本の指導部もあらゆる方面での協力の必要性を理解しているとの確信を表している。ナルィシキン氏は、共通のテーマやいくつかの問題で立場の一致が認められ、信用が生まれつつあると指摘し、「より胸襟を開いた関係はこの地域の緊張を取り除き、2つの民族にとっての平和と安全を約束する」と結んでいる。

    日本でナルィシキン氏は両国の外交関係復活60周年を記念した第11回ロシア文化フェスティバルの開幕を宣言した。1956年10月19日、ソ連と日本は戦争状態を停止し、外交関係を復活させることを見込んだ宣言に調印している。この時、クレムリンで盛大な雰囲気のなかで共同宣言の調印が行われ、ソ連はその中で平和条約が締結された後、善意の表れとして日本にシコタン、ハボマイの2島を渡す用意を示した。ところが1960年代の初め、日本は米国との間に安全保障条約を結び、これにより自国領土の一部を米軍基地用に提供すると、ソ連政府は条約の中にソ連にとっての潜在的な危険性を認めると、島譲渡問題の検討は退けるとの声明を表した。2004年11月、ラヴロフ外相は声明を表し、ロシアはソ連を継承する国として1956年の共同宣言をあるままに認め、これを土台として日本との間に領土交渉を行う構えであることを明らかにした。

    岸田外相も、露日のリーダーたちの前回の交渉結果をふまえ、作業部会で「北方領土」および平和条約についての前向きかつ深い討論が行われることに期待を表した。5月のソチでのプーチン・安倍会談の結果のひとつとなったのがこれから行われる会合だ。安倍首相はこの時、ロシアに対してクリル諸島の問題解決の新たなアプローチを提案したという声明を表し、万人の好奇心をかきたてた。この新たなアプローチが一体何から成っているかは、未だに明らかにされていない。

    ロシア科学アカデミー、極東研究所、日本調査センターのヴァレリー・キスタノフ所長は交渉がすぐさま結実するということは懐疑的だとして、次のように語っている。

    「それぞれの立場にはまだかなりの隔たりがある。私には想像しがたいのだが、日本は1956年の共同宣言の状態に戻ることに賛成し、返還要求を2島に限定した。さらに想像しがたいのは、ロシアは日本の希望に前向きにそって、4島全島を渡すだろうかということだ。それでも対話は再開され、希望を与えており、この先の深化した話し合いのための将来性を開いている。『そいう問題も観点もない』と言ったソ連のグロムイコ外相時代のときのように全く話し合わないほうがよくなかっただろう。それにそれは二国間に凍りついた雰囲気を作っただろう。」

    モスクワ・カーネギーセンターの専門家、アレクサンドル・バウノフ氏の見解は「安倍氏はクリル問題の早期解決を待つほどナイーブではない。逆に彼は、日本が中国と互角で張り合うことができるように、ロシアのために日本の投資、貸付を拡大する構えだ。日本は自分がいる地域で友人を持たない。日本の隣国は中国、韓国といった地域大国で、これらは日本に懐疑的な姿勢を表している。このため対梅雨関係は日本にとって極めて重要なのだ。

    つづいて袴田茂樹氏も次のような見解を表している。

    「今回安倍首相が5月にソチで新しいアプローチを提案したが、私自身専門家としては、南クリルの問題で現在日本にある程度譲歩してでもロシアは妥協できるかというと、プーチン大統領はそういう状況には無いと見ている。その理由だが、2011年から2012年に掛けて、ロシアでは反プーチンのデモが何万人規模で行われ、支持率がかなり落ちた。しかしその後、2014年3月の『クリミアの併合』と2015年9月の末にはシリア空爆によってプーチン大統領の支持率は89.9%にまで上がった。これは、プーチン大統領は失った領土を取り返した偉大な大統領であり、シリア空爆の場合は世界にロシアの力を示した大統領として、ロシア国民の、あるいはプーチン大統領の支持基盤であるシロビキたちの愛国心を大いに満足させたので支持率は高まったわけのだ。失った領土を取り戻した偉大な大統領として支持率が上がっているのであれば、プーチン大統領は南クリルで譲歩するのは大変難しいだろう。」

    袴田氏へのインタビューの全文は下からお聞きいただけます。

     

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    露日関係, 日本, ロシア
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