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    ヒラリー・クリントン

    ヒラリー氏の健康を論議するのはなぜ危険?

    © AP Photo/ David Goldman
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    タチヤナ フロニ
    米大統領選挙 (68)
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    米国でハフィントンポスト紙のジャーナリストが職を失った。失職の原因となったのは、この記者が大胆にも女性初の次期大統領候補ヒラリー・クリントン氏の健康問題をテーマにした記事を2本掲載したためだ。ヒラリー氏の健康問題が取り上げられるきっかけとなったのはプレスとの会談だった。ヒラリー氏は突如、頭をふり動かすという奇異な行動をとり、その様子はてんかんの症状を想起させるものだったという。

    ヒラリー氏のライバル、ドナルド・トランプ氏の支持者らはこれを呼んでただちにクリントン氏は病気だと叫びたてた。これが本当に発作だったのか、それともヒラリー氏は注目を集めようとしてこうした行動に出たのか、それは定かではないが、いずれにせよ、選挙前のキャンペーン中にこんな噂をまかれるのはヒラリー氏には得策ではない。

    ハフィントンポスト紙の記者、デビッド・シーマン氏は2本の見出し記事を表し、プレスとの会談で起きた事件についてその事実と、68歳のヒラリー・クリントン氏が果たして非の打ち所のない健康状態にあるかは疑わしいとの見解を書いた。記事でシーマン氏は、クリントン氏は民主党推薦大統領候補として自身の健康問題について社会に明確な回答を示すべきだという見解を表した。ところがハフィントンポスト紙は自社サイトからシーマン氏の記事を「理由の説明もなく」削除し、シマン氏のアカウントをブロックした。シーマン氏は自身のツィッターでハフィントンポスト紙幹部のこうした行動に憤りを感じると書いている。

    米国では不都合な発言を行なったとして記者を解雇する例は今回が例外なのか、またこれは何に影響するだろうか? 米国は世界中で絶対に言論の自由を守る国として自国をアピールしている。これについてスプートニクは、ロシア人政治学者で雑誌「エクスペルト(エキスパート)」の評論員を務めるゲヴォルグ・ミルゾヤン氏に見解をたずねた。

    「米国ではこれはごくごく通常の話だ。なぜなら完全に独立したマスコミなどありえず、ある程度はそのスポンサーや編集部の方針にひきずられてしまう。この状況ではヒラリー氏の背後にはうなるような大金がある。1月半前、彼女の選挙活動資金は3億3千万ドルもあった。比較のためトランプ氏の選挙活動資金を示すと、6千万ドル強。この他にもクリントン氏の背後には民主党のエスタブリッシュメントがずらりと勢ぞろいしている。

    ジャーナリストというのは普通左翼的支店を持っているものだ。クリントン氏の病気についての情報はもちろん選挙キャンペーンには非常に大きな衝撃だ。これはヒラリー氏だけではない、民主党全体も大きな衝撃を受けることになる。このためこの記者は解雇という罰を受けたわけだ。

    だがクリントン氏の病状についての真相は私が読んだこれについての文書から判断する限り、まったく問題なしとはいえない状態だ。なんらかのスキャンを目にしたという者もいるが、いずれにせよ、この記者がどれだけ正しいかを判断するにはより深く掘り下げる必要がある。」

    以前、これと似たような大スキャンダルがベテランの記者、ヘレン・トーマス氏をめぐって起きたことがあった。トーマス氏は女性ジャーナリストとして何世代もの米国市民に名が知られる存在だ。彼女が職を奪われた原因はビデオインタビュー。オバマ大統領のプレスプールの一員だったトーマス氏はビデオインタビューで中東情勢について政治的には正しくないコメントを行なってしまった。だが言論の自由というのは記者にとっては何よりもまず、思った事は発言していいことのはずだ。これは今回ハフィントンポスト紙から解雇された米国人記者のデビット・シーマン氏も同じことを行なったのだ。これについてミルゾヤン氏はさらに次のようにコメントしている。

    「編集方針を考えれば記者の解雇はおそらく正当性があるだろう。だが言論の自由の視点からすれば、これは全く根拠をもたない。しかもこの情報は大統領候補者に関するものだ。なぜなら米国はニクソン大統領のスキャンダルに始まり、大統領を監視し、その生活に関するほぼ全ての情報を公表してきているからだ。この理由でクリントン氏に関しても目撃情報が公表されたにすぎない。これが別の候補者で、別の政党で別の時期であったら、こんな記事を書いても記者はとがめられることはなかったかもしれない。

    だがこの場合は危険性が伴う。もし最終的にトランプ氏が選ばれてしまった場合、民主党にとっては全く受け入れ難いトランプ氏の外交政策、経済ビジョンによるシナリオが実現されてしまう。これはすでに国を脅かす事態と受け止められている。

    大体において今回の大統領選挙キャンペーンでは候補者の個性がかなり際立っている。過去の米国大統領候補者ら全員を見渡してもトランプ氏の不支持率はきわめて大きい。とこどがパラドックス的ではあるが不支持率ではヒラリー氏は大統領に一番なっては困る候補者リストでトランプ氏に続いて2位を占めているのだ。つまり今回の米国大統領選挙は史上初めて、2人の最悪支持率を誇る候補者が争う戦いとなっているのだ。」

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