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    トランプ氏の心中を最初に知るのは日本かもしれない

    トランプ氏の心中を最初に知るのは日本かもしれない

    © REUTERS/ Mario Anzuoni
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    リュドミラ サーキャン
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    産経新聞の報道によれば、安倍首相は次期米大統領が在日米軍の駐留経費負担金を著しく拡大した場合、日米同盟のあり方の根本的な見直しを迫られる可能性もあると周囲に語っていた。先日の安倍氏とトランプ氏の電話会談ではふたりは11月17日にニューヨークで会談することで合意している。だがその会談を前に日本側は14日から18日までの日程で河井克行内閣総理大臣補佐官を訪米させ、新政権関係者との会談を行うことを決めた。日経新聞の報道によれば、米国との関係構築を目的として、しかもトランプ氏の大統領就任式を待たずに谷内国家安全保障局長の訪米も行われる。

    トランプ氏は選挙キャンペーンで、日本が在日米軍の経費負担金を拡大しない場合、日米安保条約の見直しもしくは究極は破棄もありうるとの発言を行っていた。トランプ氏は最悪の場合は日本から米軍を撤退させる可能性もあるとまで豪語していた。日本政権の憂慮をあおったのはトランプ陣営で安全保障政策の顧問を務めるバート・ミズサワ退役少将が11月10日にNHKからのインタビューに答えた際に行った発言だった。

    ミズサワ氏は日米安保条約についてビジネス的には均等ではない契約であり見直しが必要と断言。ミズサワ氏は日本とは北朝鮮からの拡大する脅威を中性化するために必要な核の抑止力をどの資金で維持すべきかについて本格的に話し合う必要があると語っている。ミズサワ氏は「今の条約に照らすと米国は日本を防衛する義務があるのにたいし、日本はなんの義務も負っていない。防衛の負担、軍事費の配分に関しては二国間には大きな差異がある。日本が支払う防衛費はGDPのわずか1%であるのに対し、米国は日韓を覆う核の傘を維持するためにかなりの資金を割いている」と語っている。

    国家戦略研究所の専門家、マクシム・ジャコフ氏は現段階では両国関係の断絶の危機は取りざたされていないとして、次のように語っている。

    「トランプ氏の取り巻きがビジネス上の原則を外交にあてはめようとしてもうまくいくとは思えない。トランプ氏の背後には極右の共和党員が控えている。マスコミへ漏れる情報を見る限り彼らは組閣入りする可能性が高い。まさにこの人たちこそがトランプ氏に連合国らとは、特に日本のような戦略的連合国らとはそんなふうに振舞うべきではないと説明しようとやっきになっているのだ。トランプ氏は安倍首相との電話会談では日米関係の強化の意向を表したが、これがリップサービスではないとすれば、トランプ氏の顧問役が日本人からのインタビューで行った発言はボスの発言と矛盾することになる。」

    政治分析センターのヴャチェスラフ・ダニロフ執行役も同じく、トランプ氏がどんなに攻撃的な姿勢をとっていようとも米国政府内の政治エリートらはトランプ氏に日本からぱっと離れることは許さないはずとして、軍事費負担を理由とした日米関係の断絶は信じがたいとの見解を表している。

    「米国はNATOの主たるドナー国だ。これを多くのメンバー国が利用しながらもNATO予算の積立金の義務を果たしていない。日本はといえば、アジア太平洋地域における米国の戦略的同盟国であり、中国、北朝鮮というファクターを考慮すれば対日関係を悪化させることは米国の国益にはかなわない。それに日本人だって軍事費増大をそう急ごうとはしないだろう。日本人も戦略パートナーの代表らとより本格的な話を行うことなしに軍事費拡大を性急に行うとは考えられない。日本人には議会、米国防総省、米国務省という形の官僚主義の壁を本気で克服する真剣な意図と断固とした姿勢がトランプ氏にあるところをはっきりさせる必要がある。日本は米新政権側からのより建設的な立場を期待し、軍事費拡大を他の何かと交換する提案があるのではないかと考えている可能性も排除できない。」

    トランプ氏の対日姿勢は現時点ではまだ霧に包まれているため、日本政府もより迅速に状況を手探りし、この先どう出るかを見極める必要ありと判断した。この場合、日本はトランプ氏の外交政策が選挙実施前の論調と一致したものとなるのかどうかを他に先駆けて知る可能性がある。

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