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    「スパルタクス」「スパルタクス」

    旭日章受賞者ワシーリエフ氏とアキーモフ氏 スプートニク記者に日本バレエの素晴らしさを語る

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    タチヤナ フロニ
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    傑出したロシアの舞踊芸術家で、現在ボリショイ劇場の振付師である世界的にその名が知られた、ウラジーミル・ワシーリエフ氏とボリス・アキーモフ氏が、先の秋の叙勲で、日本の最も権威ある国家勲章の一つ、旭日章を受章した。共に、日本におけるバレエ芸術の発展及びバレエ教育に対する貢献ぶりが高く評価されたものだ。

    自身の舞台芸術活動の当初、二人は共に、ボリショイ劇場バレエ団によるハチャトリアン作曲「スパルタクス」の日本初演に参加した。1970年代前半のことだった。その際、ワシーリエフは奴隷剣士スパルタカス、アキーモフは、その敵役ローマの将軍クラッソスを演じた。二人は舞台では敵同士だったが、日本におけるバレエ芸術発展に果たした重みは同様で計り知れない。二人とも「日本ほどバレエ芸術に対し、感動的反応を見せる国は、世界中どこにもない」と考えている。

    アキーモフ氏は、次のように述べた-

    「私達が、初めて日本公演したバレエ『スパルタカス』は、どこでも大変な成功を収めた。恐らくそれは、ああした男性パワー中心のバレエが、ボリショイ特有のものだったからだろう。このバレエは現在に至るまで、ボリショイ劇場を代表する演目の一つ、ブランドとして残っている。我々の日本公演後すぐに、日本でバレエ映画が撮られたのも偶然ではない。なぜなら日本での反応は普通と違っていたからだ。」

    ワシーリエフ氏とアキーモフ氏は共に長年にわたり、振付師としてもまた教師としても、日本のバレエ界と協力関係にある。モスクワの日本大使館で行われた授与式後の挨拶の中で、ワシーリエフ氏は、次のように述べた-

    「人生を自分が選んだ職業に捧げた人間にとって、この勲章は特別のものだ。私が日本の多くの友人達に、日本の人達にとってこの勲章がどんな意義を持つのかと聞いた時、 皆声をそろえて『天皇陛下から贈られたもので、まさに最高のものだ』と言っていた。」

    またワシーリエフ氏は「日本のバレエ界との協力は長年にわたるが、それでもやはり自分にとって、今回の叙勲は思いがけなかった」と強調し、その理由をスプートニク日本のタチヤナ・フロニ記者に次のように語った-

    「私は、日本でそんなに長い間、踊ったわけではない。最初の日本公演の時には『シンデレラ』や『ジゼル』そして『眠れる森の美女』に出演しなければならなかったのだが、松葉づえをついて日本に行くことになってしまった。日本行きの文字通り2日前に、片足を折ってしまったのだ。しかし日本の友人達は、切符はすべて売り切れた、みんなあなたを心待ちにしている、どんな場合でも来てほしいと伝えてきた。ただ舞台に出てくれれば、観客はそれだけで喜ぶからというのだ。私は当惑してしまった。なぜなら、踊れない私が一体何をしたらいいのか分からなかったからだ。しかし私は、お断りすることができなかった。実際日本では、私がギプスをつけて舞台に出ると嵐のような拍手と喜びの笑顔で迎えられ、それは私にとって何よりもありがたかった。おまけに日本では、大変な援助を頂き、よい治療を受けることができた。そして文字通り一週間後には、もう自分の足で歩けるようになった。その後、日本のバレーダンサー達と仕事をし、彼らと一緒に成功することができた。彼らがリハーサルを重ねるたびに成長するのを目にするのは嬉しかった。」

    日本でのプロジェクトは続いている。ワシーリエフ氏は、すでに15年間、チャイコフスキー記念東京バレエ団と共に仕事をしている。その後日本のダンサー達が公演した国々で、彼の仕事が素晴らしい実を結んでいるのを何度も目にすることができた。ベルリンでの東京バレエ団の信じられないくらいの成功は、現在に至るまで彼の記憶に刻み付けられている。

    ワシーリエフ氏のそうした誇りを、アキーモフ氏も分かち合っている.彼は、英国王立コヴェントガーデン劇場やミラノ・スカラ座、ウィーン及びハンブルグ・オペラ劇場、デンマーク王立バレエ、パリ国立オペラ、オランダ国立バレエ、サンクトペテルブルグ・マリインスキイ劇場など、世界の多くの一流バレエ団と仕事をしてきた。そして彼は、日本でも東京の新国立劇場バレエ団や牧阿佐美バレエ団と仕事をしている。

    アキーモフ氏は、次のように述べている-

    「私は、公演のため何度も日本を訪れ、事実上、全国を回った。日本の多くの劇場で踊った。一方90年代にはすでに、教師としての活動も始めた。それが今日まで続いているのは嬉しい限りだ。ソ連時代からもう日本には、ロシアのバレエ教師が訪れてはいたが、常に、日本人ダンサーの上達ぶりの速さには驚かされてきた。彼らは、全く信じられないほどにバレエを深く愛している。それはまさに驚きだ! それに加え、日本人は信じられないくらい勤勉で、たくさんのことを学ぼうとする。彼らにとって、教師はすべてなのだ! ロシアでは、教師と生徒の間には、やはりある種の気ままな自由さがある。しかし日本人にとって、教師は神様だ。それゆえ彼らは、すべてができるだけ正確にできるよう目指し努力する。そうした事から、我々が現在日本のバレエ界で目にしているような、まさに稀有な成果が生まれるのだ。」

    ワシーリエフ氏とアキーモフ氏は、今回の旭日章叙勲について、彼らが日本のバレエ界に単にロシア・クラシックバレエの一流技術をもたらしたばかりでなく、ロシアの魂の一部を伝えることができたことが認められた証であってほしいと願っている。

    ボリス・アキーモフ氏は、バレエの振付師・演出家であるばかりでなく、ロシアの代表的詩人セルゲイ・エセーニンの作品のための音楽も書く作曲家である。 アキーモフ氏は、なぜ他でもないエセーニンに魅かれるのか、詩人の作品と日本文化と通じ合う点について、次のように述べている-

    「 私は、日本の歌の中にあるような優しさや旋律の美しさが好きだ。しばしばそれらは私に、私達ロシアのメロディーに通じるものを感じさせる。だから私は、エセーニンの詩に音楽をつけた時、それを日本人に聞いてもらった。すると彼らは、私のつけたメロディーに大きな関心を示した。なぜならその引き付けるようなメロディーには、日本文化特有のものが感じられるからだ。それは心からの深い思いだ。エセーニンの詩と、それは、とても触れ合うものがある。」

    一方ウラジーミル・ワシーリエフ氏は、日本でミンクスの「ドンキホーテ」を舞台にかけた。スプートニク日本記者は「彼の演出は。日本のバレエファンにどのように受け止められるだろうか?」と質問してみた-

    「ドンキホーテが敬愛するドルシネア姫は、日本ではスペイン女性とされているが、ロシアの魂を持っているところが重要なところだ! 日本のバレエは、ここ最近、信じられないくらい変わった。技術以外に、踊りに魂を込めることが肝心となっている。現在日本人を見ながら私は、舞台で彼らが多くのことを、大変ロシア風にしていると思っている。ロシアのクラシックバレエの最良の伝統を受けついているのだ。ロシア人のように、彼らは魂を持って踊っている。私がそれに手を貸すことができて嬉しい。」

    日本大使館での授与式の後、二人の著名なバレエ振付師は、自分達は日本のバレエ界と、今後も知識と経験を分かち合い続けて行くと約束した。

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