21:26 2019年08月22日
シリア

中国は平和的なシリアへ投資。ロシアは蚊帳の外に置かれる?

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中国は、まずは中国企業150社が入るシリアでの工業団地設立に20億ドルを投資する方針。中国・アラブ相互交流協会のチン・ヨン副会長が、戦後のシリア復興プロジェクトの初の投資フェアで伝えた。シリアでの中国企業向けの投資フェアの開催は、シリアでの中国の投資活動を明白にする強い動きだ。

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政治学者のウラジーミル・エフセエフ氏は、中国はシリア危機の平和的解決の可能性を感じとったとの見方を示し、そのため中国は同プロセスに政治的にも経済的にも積極的に関与し始めたとの考えを表し、次のように語っている-

「中国は、のけ者にされるのを非常に嫌がっており、重要なプレーヤーの1国としてシリア問題の解決に参加することを望んでいる。中国は長い間待っていた。同国はロシアの行動がこのような結果をもたらすと確信していなかった。中国はビジネスにとって最適な条件を確保するため、シリア問題の解決にさらに積極的に参加するようになっている」。一方、中東での今回の紛争や、長年にわたる流血の争いにおける暴力レベルの低下で決定的な役割を演じたのはロシアだ。そして恐らくロシアも、シリアの平和的なインフラ復興に参加し、地域における自国の影響力を強化したいはずだ。政治学者で政治学博士のゲヴォルグ・ミルザヤン氏は、シリアは今も物流の関心を呼び起こす国であり続けているとの考えを示し、次のように語っている-

「シリアは中東の中心地だ。そのため中国はずいぶん前からこの国に入ってきている。非常に真剣に石油・ガスの野心を抱いている。なぜならシリアは地域の全ての国への出口だからだ。それは道路、石油産業、わずかな農業だ。中国人はすでに投資する用意があることを表明した」

ロシアとは異なり、中国にはそのために必要なすべてのリソースがある。ロシアの主な切り札はその軍事プレゼンスだ。ロシアは「汚い仕事」と呼ばれるものを全て行ったが、経済的利益は他の国が獲得するということになりはしないだろうか?中国などの国が?

「高等経済学院」政治学講座の上級講師でアラブの専門家のレオニード・イサエフ氏は「シリアに平和的生活が浸透すればするほど、ロシアのファクターの弱まりがより顕著になるのは明白だ」と考え、次のように語っている-

「実際のところ中国はシリアでロシアと協力する用意があまりない。だからといってこの状況の中で中国と競合するのは困難だ。ロシアがどこの国よりも優れているのは、原子力エネルギー、武器供給、宇宙、油田の探査や採掘などの分野だ。だが今シリアに原子力発電所を建設しようとする者は誰もおらず、シリアは今、人工衛星どころの話でもない。シリアの人々にまず必要なのはインフラの復興であり、彼らには技術が必要なのだ」

シリア危機が起こる前、中国はシリアの石油・ガス施設の多くの部分を管理していた。中国はそこに数百億ドルを投資した。中国が今後もそれを継続したいと願っているのは明らかだ。だがロシアと中国以外にもシリアに関心を持つ地域の国はたくさんある。まずイランとサウジアラビアだ。一方、イサエフ氏は、シリアにおけるロシアのプレゼンスは地域のパワーバランスのために必要不可欠となるだろうとの見方を示し、次のように語っている-

「イランとトルコ、カタールとサウジアラビアは、すでにロシアの好意を得るために互いに競争し始めた。もちろんロシアは現在、影響力をめぐって米国と競い合う状況にはない。だが何かを始めなければならない」

シリアの平和的復興で決め手となるのは何か?ミルザヤン氏は「まずはロシアとイランの立場だ」との確信を示し、次のように語っている-

「中国は非常に積極的にイランへ投資しており、また中国はロシアとの非常に緊密な政治的関係を有している。一方、シリア復興には1兆ドルが必要だ。欧州は資金を出さない。あるいは出したとしても、独自の一定の条件を提示するだろう」

だが中国はそのような条件を出さない。シリアにとっての中国の魅力はここにある。ミルザヤン氏はこのように指摘している。この状況の中でロシアにとってより重要なのは、すでに獲得した地域での政治的利点を維持し、強化することだ。だが、投資の可能性も排除されてはいない。

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