19:56 2019年12月09日
陰謀

地球は平べったい、ユニコーンは実在する、メルケルはチリに亡命する…世界を煙に巻く大「陰謀」論者に独で授賞式

© Depositphotos / Jordygraph
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最も目覚ましい陰謀論をふっかけた筆者を表彰する「アルミホイル製金の帽子」賞の授賞式がベルリンで行われた。受賞者の顔ぶれは、メルケル氏は任期を終えた後、チリに亡命すると断言した「ドイツのための選択肢」党のベアトリクス・フォン・シュトルヒ氏、自然のカタストロフィーを人工的に起こすプロジェクトの作者、地球は平で太陽までの距離は6000キロであり、宇宙からの映像はすべて地球上の特製プールで撮影されたと「証明」したブロガーなどなど。授賞式に立ち会ったスプートニクの記者が読者を煙に巻いた興味深い「プロジェクト」を取材した。

スプートニク日本

毎年行われる「アルミホイル製金の帽子」賞の今年の授賞式はベルリンのクラブ「ハイマトハッフェン」で行われた。投票のプラットフォームとなったのはblog.dergoldenealuhut.deつまり投票はマスコミのSNSのユーザーの間で行われた。この晩、まず賞を受け取ったのはバイエルンで「エネルギー・クリスタル」なるものを販売する「OZ オルゴニテ(OZ Orgonite)」。この不思議なクリスタルはだいたいの部分が合成樹脂、くず鉄、様々な色の石でできており、これがきらきらすると、あたかもネガティブなバイブレーションをポジティブなエネルギーへと変えるといううたい文句がつけられている。

政治部門で1位になったのは政党「ドイツのための選択肢」のベアトリクス・フォン・シュトルヒ副党首。シュトルヒ氏は議会で、EUの計画では小学校の段階から性の啓蒙が行われることを明らかにしたほか、メルケル氏は首相の座を退いた後、チリへ亡命すると豪語するのだが、これについては何の証拠も提示していない。

「マスコミとブログ」ではジャーナリストのマルティン・レジェン氏が優勝。他の受賞者が欠席しているなか、唯一授賞式に参列した。レジェン氏が自分のオンライン出版で執筆するテーマは「天気の操作」、人工的な地震、シークレットな世界のエリートなど。

「医療」部門で最多の票を集めたのは予防接種に反対するミハエル・リャイトナー氏。リャイトナー氏はコンドームはエイズ感染防止に役立たず、エボラ出血熱の存在を否定し、豚インフルエンザウイルスはマスコミが作り出した話だと断言する。リャイトナー氏はエイズ治療に用いられる薬は効き目がなく、これは目的意識をもって、故意に人を殺すだけであり、医療関係者から見ると全くナンセンスな、嘘偽りだという。

この晩、最後の賞はYouTube のチャンネル「ベゲンと美食家(Vegan & Lecker)」とその制作者で地球はディスクのように平らだと信じ切っているピーター氏(„Peter")に贈られた。ペーター氏は太陽についても地球からの距離は6000キロ足らずで宇宙ものの映画やNASAの公開するビデオはみな地球上のどこかのプールで撮影されており、重力など真っ赤な嘘だと主張している。

授賞式ではユニコーンが話題に挙げられ、ディスカッションが行われた。というのもネット上には伝説上の生き物であるユニコーンの目撃情報があふれており、どこぞのネットショップは「ユニコーン・パワー」を取り入れましょうとのうたい文句からユニコーンのサラミソーセージまで売るなど、なかなか大盛況なテーマだからだ。

この晩の重要な帰結は、陰謀の理論とは人間の恐怖に働きかけるため、これだけ多くの注目がソーシャルメディアで集まるのも無理はないというものだった。だがどんな証明が困難なテーゼでもそれを「陰謀論」と誹謗することはならない。確かに「アルミホイル製金の帽子」賞の受賞者らは展開した持論を証拠づける論理、医療ないしは専門的な土台を一切有していないのだが。賞がユーモアたっぷりに示すところは別の見解に対しては批判的に接する必要性があり、インターネットはお金を吸い込む媒体以外の何物でもないということだろう。

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