15:51 2018年10月22日
中国と米国の旗

米中貿易戦争は、新興国の危機を引き起こす恐れがある

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米中貿易戦争は、新興国市場の不安定さと相まって新たな世界金融危機を引き起こす恐れがある。政府系ファンド韓国投資公社は、このような警告を発した。ニュース専門報道局CNBCが報じた。貿易戦争によって生じた中国の経済ショックが、新興国市場を押し下げることになると指摘されている。

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トランプ米大統領は、9月24日から今年末まで2000億ドル相当の中国製品に10%の関税を課すと発表した。なおトランプ大統領は、中国が報復措置を講じた場合、2670億ドル相当の中国製品に関税を発動する可能性も排除しなかった。中国は報復措置を講じる方針を表した。

もちろんこれは中国のビジネス環境にとって痛烈な打撃となるだろう。これらすべてが投資家らをおびえさせ、資本流出を引き起こし、それがさらに人民元への圧力を悪化させている。今年、人民元の価値は8%以上低下した。人民元相場は1ドル=6.9元台まで下落した。今後もこのような状態が続いた場合、人民元は 心理的ボーダーラインの7元台に下落する可能性がある。過去10年間、2008年の金融危機の時でさえ、7元台になったことはなかった。韓国投資公社は、貿易戦争によって生じた中国の経済ショックは、他の新興国市場も押し下げることになると指摘している。専門家の意見をご紹介する-

「もちろん中国の経済状況は他の新興国市場にも影響を与えるだろう。なぜならこれらの新興国は中国と緊密に協力し合っているからだ。中国は世界1の経済大国であり、膨大な量の原料、エネルギー資源を輸入し、工業製品を輸出している。そのためもちろん中国経済の減速は、原料やエネルギーキャリアの価格下落を伴うだろう。だが私は、中国経済は全体的には安定し、資源需要が大きな変化をこうむることはないと考えている。なお、米国やその他の西側の先進国のシェアが高い資本市場では、価格変動が生じる可能性がある。そのため新興国市場は、中国というよりはむしろ資本市場から圧力を受けることになるだろう。例えば、ベネズエラやブラジルの危機は、輸出の減少によって引き起こされたのではなく、債務返済義務によるものだった。現在、人民元を新たな準備通貨として認める国がさらに増えている。中国経済の成長に伴い、決済で人民元を使用する分野が拡大している一方、これは我々にとっても外国投資へのさらなる刺激や商業的柔軟性を提供している」。

だが中国のポケットは底なしではない。中国の今年第1四半期の経常収支は17年ぶりに赤字となり、外貨準備高は4年間で約1兆ドル減少した。中国は、外国へ提供する資金を徐々に削減している。アフリカやラテンアメリカでの投資プロジェクトをより慎重に選ぶようになった。最近行われたベネズエラ大統領の中国訪問は、もう中国で簡単にお金を手に入れることはできないことを示した。もし中国が「bailout」を提供するとしたら、それは自国にとって特に有利な条件でのみとなる。新興国市場が縮小した場合、中国が同市場最大のプレーヤーとして状況を改善できると期待するべきではない。現在の芳しくない対外経済状況の中で、中国は他の市場を救うことはできないだろう。資金は、国内問題を解決するために必要となるかもしれないからだ。

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経済, 中国, 米国
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