03:20 2018年12月18日
ロシアの国営原子力公社「ロスアトム」(アーカイブ写真)

露日、原子力協力を深化

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アナスタシア フェドトワ
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東京で12日、ロシアの国営原子力公社「ロスアトム」の日本代表事務所の開設式が行われた。ロスアトムは既に20年間、日本のほぼ全ての原子力発電所向けに濃縮ウランを供給しているが、今回、伝統的協力の枠組みからさらに踏み出すことを計画している。原子力エネルギーに関して、今後さらにどのような分野でロシアと日本が活動していくことになるのか、スプートニクがお伝えする。

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ロスアトムには既に、日本市場におけるかなり以前からの活動の歴史がある。同社は20年間にわたり、日本にある原発を操業している各電力会社向けに濃縮ウランを供給している。ロスアトムのキリル・コマロフ第一副社長の話によると、協力の規模は近年、日本の原発の大部分が稼働していないことが原因で縮小した。だが、そのような条件下でさえ、ロシアは日本の10電力会社のうち9社に原料を十分に供給しているという。

ロスアトムは今年1月、福島第1原発の事故で生成された炉心溶融物の特性が時間の流れとともにどのように変化していくのかということの研究に向けた、日本政府による資金提供を受けた入札を勝ち取った。このような研究は、同原発での事故の結果を安全に処理する戦略を開発するために不可欠である。このことにはロシアの研究者らも取り組んでいる。コマロフ第一副社長の話では、ロシアにはこの分野で大きな経験と興味深いテクノロジーがあるという。

協力の重要な方向性の一つとなるのが、ロシアと日本による第三国での共同活動だ。コマロフ第一副社長は計画について、「今日、数多くの新たな原発が全世界で建設されつつある。我々が携わっているものだけでも、国外で36基、ロシア国内で新たに6基の原子炉が建設されている。我々は、そのような責任を伴う巨大事業のためには、ロスアトムと各日本企業による努力を結集させることが双方にとって非常に有益になると考えている」と語っている。コマロフ第一副社長の話によると、ロスアトムは既に、プロジェクトに関心を抱いている具体的な複数の企業と交渉を行っているという。ただ、いったいどのようにして協力が行われていくのかについては、はっきりしないままだ。

また、ロシアと日本は今後、核医学における共同開発を行っていく。11月初めには、ロスアトムの子会社の1つに所属するロシアの研究者らが、一部の種類のがんに対する放射性医薬品の研究と開発を実施しているとの情報が、メディアによって伝えられている。原子力技術は将来、肝臓がんや骨肉腫、いくつかの種類のリンパ腫の治療に応用される可能性がある。

原子力協力の方向性の中で、恐らく最も思いがけないものとなるのは農業だ。コマロフ第一副社長は、農産物の放射線加工技術が存在し、放射線加工の後では農産物が傷むことなく長期間保存されると説明。食料品に影響を与えるこのような手法の安全性について、記者らの間では疑いが呼び起こされたが、コマロフ第一副社長は記者らに対し、「これは全く安全だ。WHO(世界保健機関)が既に20年前、このことを立証している。心配しないでいただきたい」と保証した。

そのほか、ロシアと日本は今後、核燃料サイクル完結と第4世代原子炉の分野で科学研究を共同で行っていく。

ロシアのガルージン駐日大使の見解では、今回のロスアトムの代表事務所開設は、日露両国による経済協力が安定して発展しつつあることを立証するものとなったという。ガルージン大使は、「国際関係は今日、乱流状態のレベルが高まっているという点、つまり著しく不安定であるという点で際立っている。そのため、この簡単ではない情勢において安定した前向きな発展の実例を、露日関係が自らによって示しているというこの事実がなおさら重要だ」と述べている。

ガルージン大使はまた、日本側パートナーらに対し、ロスアトムを信頼することは可能だということを保証し、「ロスアトムは常に、過去、現在、そして将来、原子力エネルギーの平和利用の分野において、責任を持ち信頼できる日本向けサービス供給国であり続ける。また、ロスアトムが日本側パートナーらによる期待を裏切ることは過去に一度もなかったし、これからもそのようなことはない」と述べている。

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福島, 露日関係, 日本, ロシア
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