04:22 2018年12月14日
日産のカルロス・ゴーン前会長(アーカイブ写真)

日産スキャンダル 弁護士と記者に疑問が残った理由とは

© AFP 2018 / Eric Piermont
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日産のカルロス・ゴーン前会長が有価証券報告書の虚偽記載の疑いで逮捕されたスキャンダルは、日本国内外のメディアの紙面を依然賑わしている。全ては単純だと思われた。法律に違反し、報いを受ける必要があると。だがこの事件は記者と専門家に大きな関心と疑問を呼び起こした。国家首脳すら介入の必要ありと考えた。マクロン仏大統領がゴーン容疑者逮捕について、アルゼンチン首都ブエノスアイレスでの20カ国・地域(G20)首脳会議に合わせ、安倍首相と直接協議したい意向を示したのだ。

スプートニク日本

元検事の郷原信郎弁護士は、検察が証拠を十分に固めないうちにゴーン容疑者を逮捕した可能性があるとし、特捜部の捜査は「乱暴」だと指摘した。日刊ゲンダイが報じた。

検察は、退職後にゴーン容疑者が受け取るはずの報酬を有価証券報告書に記載していないことを理由に犯罪だと主張。だが郷原弁護士は、例えば役員退職慰労金が有価証券報告書の役員報酬欄に記載された例は知らないと指摘した。

ロシア科学アカデミー極東研究所日本研究センターの経済学者、ヤナ・ミシチェンコ氏はスプートニクに、捜査終了までは超高級取りのゴーン元会長と日産との関係がこうした劇的な結末を迎えたのか、想像するしかないとする見方を示した。

「カルロス・ゴーン氏は長い間、日産にとって有益だった。そして会社は彼にプロフェッショナルな才能を実現する可能性を提供していた。彼は合併および買収の時代に会社の発展戦略を見事に形成し、結果、日産-ルノー-三菱の強力な自動車同盟を結成させた。だが、本質が公表されない何らかの利害の衝突が起きた可能性がある」

米大手経済誌フォーブスは匿名の関係者の話として、ゴーン容疑者の逮捕の状況にコメントした。関係者は、日本の幹部がゴーン元会長の厳しい管理から逃れようとして検察にゴーン容疑者の情報を売ったと語った。ゴーン元会長が指揮した20年間で日産は「死の危機」から逃れ、現在は好調だ。上層部の多くや日本政府の官僚すら、もうゴーン容疑者を放り出したい可能性も除外されないと、フォーブス誌は伝える。

西側メディアはゴーン容疑者の苦難をすでに大量に報じた。逮捕直後からゴーン容疑者は起訴されずに勾留され、取調には弁護士が立ち会えない。米紙ウォールストリート・ジャーナルなどが「こんなことが起こり得るのは共産主義の独裁政権下のみだ」と批判した。

ゴーン容疑者は容疑を否認している。ゴーン容疑者は、有価証券報告書に役員報酬を50億円少なく記載した疑いで逮捕。それに加え、個人的な投資で失敗して発生した約17億円の損失を日産に事実上、肩代わりさせた疑いもある。さらに、アムステルダムに投資目的の子会社を設立。日産はこの子会社に多額の出資を行った。子会社はペーパーカンパニーを通じて、ゴーン容疑者が子供時代を過ごしたベイルートやリオデジャネイロにゴーン容疑者用の高級住宅を購入した。日産はパリや東京、アムステルダムの高級住宅代も支払ったという。さらなる問題も発覚するだろう。だがゴーン容疑者の事件には他の側面もある。これは世界最大の自動車同盟を崩壊させ、日仏関係に強い緊張を引き起こす恐れがある。

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