宇宙ゴミ、宇宙戦争に役立つ日本の新モニタリングシステム

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日本のSDF(宇宙開発フォーラム)は独自の宇宙空間モニタリングシステムを開発している。発表された資料を読むと、このシステムは山口県山陽小野田市にこれから作られる宇宙監視レーダーと、東京の府中市の航空基地に建設される指令センターを含む。指令センターの建設のために2019年度は268億円が割かれる。新自動制御システムは毎日1万回のデーター収集(8.6秒ごとに1回)を行い、10万個の宇宙の物体を追跡する。

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日本は宇宙空間のモニタリングシステムをすでに保有している。これは内閣、防衛省を含む一連の国家帰還との合意でJAXAが創設したシステムで、今、刷新が行われている。岡山県の鏡野町にある上斎原(かみさいばら)のレーダー(スペースガードセンター)と井原市にある望遠鏡(美星スペースガードセンター)がそれで、リニューアルの後は高度650キロまでの直径10センチの物体をレーダーで追跡を開始する。現在のシステムが行えるデーター収集は日に200回、直径160センチの以上の物体が3万個までだ。

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民間、軍事の両方の宇宙空間モニタリングシステムは2023年、同時に始動する。その前年の2022年には稼働テストが行われる。

日本の組織は、特にJAXAは開示性の戦略を取っており、宇宙空間のモニタリングシステム開発についての独自の資料の中で宇宙誤記の脅威について多くを語っている。宇宙ゴミは使用済み運搬用ロケットの破片や打ち上げに成功しなかった人工衛星などだが、確かに極めて多い。人工衛星や運搬用ロケットがこうした宇宙ゴミと衝突する深刻な脅威は発生している。

一方で日本のこうした組織は宇宙空間モニタリングシステムが軍事目的も持っていることは否定していない。JAXAは米国の北アメリカ航空宇宙防衛司令部(NORAD)やアメリカ戦略軍の軍人らに情報を渡しており、新システムもアメリカ戦略軍との協調で作られている。SDFは、独自の宇宙空間モニタリングシステムの開発に米国から技術援助をもらい、懇談を行っている。

これには何にも驚くべきことはない。こうしたシステムは民間の目的にも軍事目的にも使いうるからだ。例えばロシアにもモスクワ郊外に主要レーダーとして、類似したシステムDоn―2Hがあるが、これはモスクワの対空防衛システムで主要な役割を演じており、宇宙ゴミや人工衛星の追跡にも用いられている。

そうはいっても日本の新たな宇宙空間モニタリングシステムが追跡するのは民間的局面よりも軍事的局面が多い。発表された文書などにはあからさまに、同システムの課題のひとつは衛星攻撃ミサイルから人工衛星を守ることだと書かれている。強力なレーダーとデーター分析の自動システムによって衛星攻撃ミサイルの発射を感知し、その軌跡を算出し、それを避ける指令を人工衛星に出す。

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軍事課題はこれにとどまらない。システムはまた弾道ミサイルの発射を追跡し、弾頭の軌跡を確定することができる。状況がうまく許せば、弾道ミサイルまたは弾頭はミサイル防衛システムで迎撃が可能となるかもしれない。迎撃が不可能でも脅威を受ける地区に感知シグナルを出して、予想される損失度を下げることは可能だ。

中国でも米国およびその同盟国の軍艦への攻撃用のマヌーバ―弾頭を装備した中距離弾道ミサイルの使用の可能性が討議されだした。この開発がどの段階にあるのかは言い難い。だが新たな宇宙空間モニタリングシステムであればこうしたミサイルやその弾頭を打ち落とすことは可能だ。例えばイージスシステムの駆逐艦を連れた攻撃空母船団はこうしたミサイル攻撃を跳ね返すなかなかのチャンスを有している。この複合体に入っているミサイルRIM-161スタンダードミサイル3は最高で高度250キロまでの弾頭を打ち落とすことができる。

こうしたわけでこの新システムは日本上空で繰り広げられる宇宙戦争には十分に役立つことができる。

また宇宙空間で戦う相手がいなくとも、平和目的や宇宙ゴミの追跡のためにも同システムは極めて役立ち、現行のシステムを補完できる。

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