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    ロシア最高経済学院国際協力局のアレクサンドル・ルキン局長

    中国と西側の対立が強まり、中国とロシアの関係は強化されつつある

    © Sputnik/ Sergei Pyatakov
    政治
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    アンドレイ イワノフ
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    中国と米国政府は、第7回米中戦略・経済対話を終了した。秋には,習近平国家主席の訪米が行われるはずだ。米中は、ロシアに知らせず話を決めようとしているのか? ロシアの著名な中国学者でロシア最高経済学院国際協力局のアレクサンドル・ルキン局長に話を聞いたー

    「中国とロシアの間には戦略的パートナーシップがあるが、これは、中国が他の国々と良い関係を持ってはならないことを意味してはいない。中国と米国は、世界の大国であり、両国は経済的に密接に結びついており、共通の政治的課題もある。それゆえ当然、両国は交渉を行っている。中国では、両国関係は平等であるべきだとの考えがある。しかし中国政府は、米国が、中国人の考えでは、中国の発展を押さえ込もうと試みていることを気に入ってはいない。両国の軍事協力は、大変不均等だ。それゆえ、いかなる合同軍事行動も行うところまで達していない。互いを訪問しあい、何らかの情報を交換することだけは進んでいる可能性があるが、いかなる軍事演習も、例えば中国がロシアと行っているようなものは行われていない。しかし、米中二国間関係が、どのように前進しても、ロシアにとって何らかの脅威になる、あるいはそれが何らかの反ロシア的目的を持って行われると考えるには及ばない。恐らく、米国の観点から見れば、そう見えるかもしれないが、中国の観点では、それは全く別物だ。」

    スプートニク記者は、次に「どんな形にしろ所謂『2大国(ビッグ2)』プロジェクトがよみがえる可能性はあるか」と聞いてみた-

    「いかなる『ビッグ2』プロジェクトもないし、かつてもなかった。ブレジンスキイ氏など一連の専門が口にした『ビッグ2』という考え方はあった。しかしそれは、直ぐに中国により退けられた。なぜならばブレジンスキイ氏の、そうした考えは、米国が中国をビッグ2の対等なパートナーと認め、中国がそれを支持し、世界中にある米国の問題を解決することであるからだ。例えば中東では、中国はそれを拒否し、それに変わる考えを提案した。これは、巨大国間の新しい関係のタイプで、本質的に、ビッグ2に反するものだ。その本質は『我々は対等になりましょう、でも我々はあなたの問題は解決しません。でも共同で力を合わせて共通の問題を解決しましょう』というもので、これはアメリカ人には合わない。」

    続いてスプートニク記者は「習近平国家主席の訪米の際、米国人は中国側に、TPP(環太平洋経済連携協定)への参加を提案すると期待してよいか?」と聞いてみた」-

    「この問題は単純ではない。中国は、少なくとも、自分達のTPPへの参加というテーマを討議する希望は明らかにしている。しかし、米国側が、欧州の国々が中国が提案するアジア・インフラ投資銀行への参加を決めた後、この関係においてどう行動するか、私は分からない。当初、米国の考えは、まさに中国に対抗する連合体を創り出すことにあった。オバマ大統領が、つい最近、中国ではなく、米国がまさに、国際貿易のルールを書くべきであると発言したのも無理はない。

    この状況は、NATOにロシアが加盟する状況に似ている。ロシアは何度もNATOに加盟したいと求めた。しかし、NATOはロシアを受け入れていない。なぜなら、ロシアのような巨大な国の加盟は、組織そのものを変えてしまうだろう。同じような理由で、まず米国は、中国のTPP入りを受け入れないだろう。なぜなら、すでにそれは親米組織体でなくなるからだ。中国も組織のかなりの部分をコントロールできるようになるからである。そうしたことを米国は必要としない。それゆえまず、米国は、中国にTPP入りを提案しないだろう。何らかの話し合いで、何らかの共同行動のフォーマットについては意見交換がなされるかもしれないが…」

    しかし、そうした交渉は、競争のエスカレート、さらには中国と米国の対立阻止の余り助けにはならない。スプートニク記者は、ルキン氏に「双方は、対決を避ける何らかの現実的試みを講じているのか」聞いてみたー

    「もしあなたが、米国議員の誰かにそれを質問するなら、その人物は『我々は、いかなる対決も望んでおらず、協力を望んでいる』と言うだろう。問題は、米国が、自分達の条件に合わない協力は考えていないという点にある。.

    米国は、国際舞台で自分達に同意せず独自の要求を出すようなどんなプレーヤーも気に入らない。中国は、発展する大国として、少なくとも対等に話をしたいと望んでいる。中国人は、世界を管理する現存のシステムを台無しにしたくないと思っているし、望んでいるのは改革だけであり、新興諸国、特に中国が、そこでより大きな発言力が持てるような改革を望んでいるのだ。しかし米国の観点から言えば、それはシステムを台無しにすることである。なぜならコントロールの権利の一部を米国から奪うからだ。それゆえ一方で、米中は、経済的に結びついており、自分達の外貨準備高を米ドルで持っていおり、自分達は敵対できないと理解しながら、他方で、中国は対等を望み、米国がそれを望んでいないことから、仲良くすることはできないでいる。」

    スプートニク記者は今度は「中国の現在の政策の中で、ロシアの占める位置はどういったものか?」と聞いたー

    「中国側から見て、ロシアは、世界政策において重要な位置を占めている。ロシアは、自主路線をとっており、米国を筆頭とする西側からの圧力に屈していない。これは、中国の観点から言えば、価値ある事だ、なぜなら、そうした国々が世界では、多くないからだ。彼らは例えば、BRICSという形でまとまった。おまけにロシアは、BRICSの他の国々と違い、中国の隣国だ。中国では、ある軍事アナリストが書いた『中国をCという文字の形で包囲する(直訳)』という題名の本が、つい最近出された。つまり、弧を描く形で中国を取り囲むということだ。中国人から見れば、中国は、米国の後押しを受けている敵対国家に囲まれているが、その弧には敵対政策に屈しない国々からなる穴があいている。その一番目に挙げるべきがロシアであり、続いては中央アジア諸国だ。これは中国にとって政治的に極めて重要である。ロシアなしでは中国は、米国と対立する中で、もっとはるかな孤独を感じたに違いない。それ以外に、経済的な利益もある。ロシアとの貿易総額は、中国の対外貿易取引量では、かなり微々たるものだが、そこには中国がそもそも他の場所では手に入れることのできない、あるいは十分な量を確保できない品々が含まれている。さらにロシアから中国は、かなりの量の必需品を受け取っている。」

    最後に記者は「今後世界は、中国に何を期待するべきか?」と聞いたー

    「最近、私の『挑戦する中国とロシアの将来』という本が出た。その中に含まれた一連の論文の中で、私は、将来中国に期待すべきことを検討している。私は、中国は原則的に、どこかの大国を標的にはしない理性的に対外政策を実施していると見ている。しかし同時に、中国は、世界で、それが妥当だと思われるような地位を目指している。その目指すところのものは、米国そしてそもそも西側から見れば、現存のシステムを壊すものである。中国は今後も、そうした路線を実行して行くだろうが、自分達が強大になるに連れて、恐らく、より精力的に行動するだろう。それゆえ中国と西側の対立は、強まってゆくと思う。

    一方ロシアとの関係は、安定化し、ここ最近ロシアと西側の問題はさらに大きなものとなっているが、ロ中関係の方は改善の一途をたどるだろう。」

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    露中関係, 中国, ロシア
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