16:00 2020年10月24日
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日本の菅義偉首相は、就任初の外遊として、ベトナムとインドネシアを歴訪する方向で調整に入った。訪問先の選定に当たって、日本政府はそれぞれの国における新型コロナウイルスの感染状況を指針にしたと見られる。しかし一方で、安倍晋三前首相が2013年に、就任後(2度目の就任時)初の外国訪問を行ったのもベトナムであった。菅首相の初の外遊先がベトナムとなったのは、偶然なのか、それとも現在の日本の外交方針によるものなのか、「スプートニク」が専門家に話を聞いた。

ロシア科学アカデミー・極東研究所日本研究センターのワレリー・キスタノフ所長は次のように述べている。「菅首相は、安倍前首相と同様、増大する中国の軍事力に危機感を持っていることから、反中国連合を形成するため、東南アジア諸国連合(ASEAN)との関係を良好なものにしようとしています。とりわけ日本政府は、日本にとっての大きな経済利益が集中する、南シナ海の領有権をめぐって中国と対立している国々を選んでいます。南シナ海には重要な海上貿易路が通っており、日本はこのルートを通じて大量の製品を外国市場に輸出し、また逆にエネルギー資源などを輸入しています。加えて、南シナ海には、炭化水素自然の埋蔵地があり、また水産物など膨大な生物資源があるのです」。

キスタノフ所長は、こうしたすべてが、日本とベトナムの特別な協力関係のための強力な礎となっており、これは東南アジアにおける「反中国の枢軸」を形成するための大きな土台となるものだと指摘し、さらに次のように述べている。

「ベトナムは多くのアセアン諸国同様、中国と複雑な関係にあります。ベトナムには、中越戦争(1979年)後の領土問題以外があるだけでなく、その他の中国側からの脅威を警戒しています。日本の明仁上皇が2017年に他のどこでもないベトナムを国賓として訪問したのもの偶然ではありません。天皇がある国を訪問するときいうのは、その国が日本の外交において重要な位置を占めていることを示しています」。

日本は現在、ベトナムにとっての主要な投資国の一つであり、貿易相手国である。日本の大手企業はベトナムの消費市場に積極的に進出している。つまり、菅首相のベトナム訪問は、安倍前首相の経済・外交政策が明確に継承されていることの証明である。

ロシア科学アカデミー経済研究所在アジアロシア戦略センターのグエン・キョクフン主任研究員は、キスタノフ氏の意見に同意し、近年、ベトナムと日本は共通の戦略的利益を持ちながら、互いに非常に重要なパートナーなったと指摘する。「ベトナムは東南アジアへの“門”という地理的条件のおかげで、日本の優先的なインフラ投資先となっています。2018年、日本はベトナムへの投資額で世界2番目、貿易高では4番目となりました。現在までにベトナムに投じられた日本の資本は581億ドル(およそ6兆1,200億円)に達していますが、これは外国からの直接投資全体の15.5%に当たります。また現在、ベトナムに登録されている日本企業の数は2,500にも及んでいます」。

日本は防衛分野でもベトナムとの協力を進めているとキスタノフ氏は指摘する。「以前、日本は、南シナ海での防衛活動のための監視船をベトナムに提供しました。また日本の駆逐艦や潜水艦、ヘリコプター搭載護衛艦いずもが、ベトナムの軍事基地が置かれているカムラン湾に寄港しましたが、これも非常に注目すべき出来事だと言えるでしょう」。

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