10:55 2021年10月18日
政治
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自民党総裁選2021年 (26)
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岸田文雄氏が、9月29日、自由民主党の新たな総裁に選任され、臨時国会での指名を経て日本の第100代首相となる。菅義偉現首相は、新型コロナウイルス感染拡大による危機を背景に退陣を表明した。後任の岸田氏は、崩れつつある自民党のイメージをできるだけ早急に改善する必要に迫られる。というのも、11月には衆議院選挙が行われるからである。

総裁選の結果が発表された直後、岸田氏は自民党のすべての議員に対し、来たる衆院選で良好な結果を出すべく、結束を呼びかけたが、これは偶然ではない。岸田氏は、多くの人々が国民の声が政治に届いていないと考えており、国民は政治家を信用していないとの認識を示し、自民党が生まれ変わったということを国民に提示し、支持してもらえるよう訴えなければならないと強調した。岸田氏は、すぐに自らの任務に着手する用意があると表明しつつ、党議員らに、徹底した新型コロナウイルス対策に取り組むよう呼びかけるとともに、年内に数十兆円規模の経済対策をまとめる考えを明らかにした。

しかしながら、岸田新総裁は、これ以外にも、新しい資本主義の構築、「自由で開かれたインド太平洋」の推進、出生率の好転など、日本の将来にかかわる重要な問題は数多くあると指摘している。

総裁選の1回目の投票で岸田文雄氏は、自民党の主要議員からの大きな支持を取り付けていた河野太郎行政改革担当大臣(元外務大臣、元国防大臣)とほぼ互角の票数を獲得した。そしてこの2人による決選投票が行われ、自民党議員らは岸田氏を選出した。世論調査では河野氏の方が人気があるとの結果も出ている中、自由民主党新総裁、そして次の新首相となる岸田氏が、国民の期待に応えられるような政治を行なっていくことはできるのだろうか?「スプートニク」は極東研究所日本研究センターのワレリー・キスタノフ所長にお話を伺った。

岸田氏が選出されたのは、投票の行方を決定づけた自民党議員たちのおかげです。派閥の利害が重要な決定要素になったと思われます。また河野氏はあまりに多くのことを公約に掲げていたのに対し、岸田氏は慎重な発言をし、それほど急進的な公約を口にしませんでした。岸田氏は数十兆円規模の経済対策を講じると述べていますが、問題はどうやってその資金を調達するのかということです。財源は2つ、税収か国債です。しかし、日本の政府債務は突出しており(2020年にはGDPの266%)、債券の発行は、次世代に問題を先送りすることを意味します。一方、日本ではここ数年、何度も税率が上がっていることから、これは国民の期待に沿っているとは言えません・・・」。

岸田氏はこれまでの演説で、新しい形の資本主義を目指す必要性を訴え、2000年代初旬の小泉元首相時代に進められた規制緩和、構造改革の新自由主義的政策は、富める者と富まざるもの分断を生んだとして批判してきた。岸田氏は、経済を安定させることを目的に、財政出動と金融緩和を継続するとしている。具体的には、補正予算、構造改革、増税と経済刺激策による歳入増加に向けた措置などが含まれている。

一方、外交に関しては、岸田氏はかなり豊富な経験を有しているとキスタノフ氏は指摘する。

 「岸田氏は、憲法9条の改正をそこまで支持しておらず、外交問題においてはいわゆるハト派と考えられています。しかし、一方で中国、韓国、ロシアからの行動に備え、ミサイル防衛を強化するよう呼びかけています。岸田氏は過激な提案を示すことなく、おそらく安倍氏の路線を継続するものと思われます。これは、インド太平洋地域における協力、中国の勢力拡大への対抗などを含め、日米関係の強化を目指すというものです。岸田氏は、北朝鮮のミサイル発射問題、拉致問題、慰安婦問題、ロシアとの平和条約締結など、これまでの歴代の首相が抱えていた未解決の問題をすべて引き継ぐことになります。そして当然、岸田氏はこれらの問題の解決に向けて取り組んでいくことになるわけですが、果たしてこれらを解決することができるのか?現実と期待というのは、まったく異なるものなのです・・・」。
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