14:16 2021年08月01日
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今日、2月23日、徳仁天皇が61歳の誕生日を迎えられる。国内の新型コロナウイルス感染症の拡大状況を踏まえ、天皇誕生日一般参賀は2年連続で中止となった。天皇陛下にとって、昨年はどんな1年だったのか?新型コロナウイルスは天皇陛下の活動にどのような影響を与えたのか?そして、今後はどうなるのか?スプートニクが日本の専門家に話を聞いた。

徳仁天皇の即位は、どう見ても調和のとれた平和な時代とは言い難い令和時代の始まりを告げるものとなった。まず、生前退位による皇位継承そのものが異例の事象で、徳仁天皇にとっては挑戦であった。また他方で、新たな時代は新型コロナウイルス感染症の流行のほぼ直後に始まりを告げた。象徴天皇制に詳しい名古屋大学大学院の准教授・河西秀哉氏は、昨年は、天皇陛下にとっても、天皇制全体にとっても、決して容易な年ではなかったと語る。

河西教授:「徳仁天皇にとっては、昨年は試練の年であり、象徴天皇制にとって危機の時代でもあったように思います。平成の天皇制が人々に支持されたのは、被災地訪問などによって国民と接触をし、その行動が道徳的に思われたからこそでした。

ところが、新型コロナウイルスによって、国民との接触ができなくなったわけで、人々を感化する機会が奪われてしまったわけです。報道されなくなるということは、国民からの関心がなくなってしまうことですから、天皇制にとっては危機だと思います。」

皇室研究者の高森明勅氏は、新型コロナウイルスによって天皇陛下の活動がすべてストップした訳ではないと説明する。しかし、ウイルスを前にして最も「脆弱」だったのは、たしかに国民との接触である。

高森氏:「天皇の国内向けのお務めは大きく分類して3種類あります:① 憲法に規定されている国事行為。② 国民統合の象徴として国民の思いに寄り添うこと。③ 皇室の神聖な祭祀に携わること。

新型コロナウイルス感染症の影響下でも、①と③は例年とほとんど変わることなく行われています。しかし、②は国民と直接お会いになる行事の多くが中止になり、オンラインによって国民の声を聴かれ、又ご自身のお気持ちを伝えられる形式に、変更を余儀なくされました。」

高森氏によると、上皇陛下が退位されたのは、高齢になって、②のお務めを全身全霊で行えなくなることが、最大の動機だった。

高森氏:「天皇陛下は、その上皇陛下のお考えを深く理解され、又ご自身も以前から国民と苦楽を共にすることが、天皇の大切な役割であるとお考えでした。従って、②を重視されています。にもかかわらず、新型コロナウイルス感染症の影響で、そのお務めを十分に果たせない状況が続いていることを、残念に思っておれられるに違いありません。」

河西教授は、天皇陛下はこの状況でも諦めることなく、厳しい時代の中で国民に寄り添うための新たな方法を模索なさるに違いないと考える。

河西教授:「徳仁天皇は、その中で、オンラインでの交流など、新しい模索はしているように感じます。とはいえ、まだまだそれは過渡的で、一般国民との従来のような接触はできていません。今後、よりオンラインを充実させる方向性へと進むと考えています。それによって、国民の関心を引きつけようとするかなと思います。」

この方向性の動きはすでに年初から見られている。1月27日、天皇皇后両陛下は昨年7月に発生した熊本県の豪雨災害の被災地を初めてオンラインで見舞われた。しかし、それに続いて2月16日に行われるはずだった東日本大震災の被災地、福島へのオンライン訪問は、2月13日に発生した地震のため、中止せざるを得なくなった。それでも、オンライン訪問は時期をずらして必ず実施されると思われる。

なによりも重要で象徴的だったのは、新年にあたり、天皇皇后両陛下が一般参賀での挨拶の代わりに初めてビデオメッセージを出されたことである。国民に向けたこのビデオメッセージで、徳仁天皇から発される確信と力を見ることができた。しかも、これは1年近く上皇ご夫妻に直接会えない状態が続いた中でのことである。また、療養中の皇后さまがカメラに向かってお話になるのはおよそ18年ぶりのこと。皇后様がメッセージを述べられている間、天皇陛下は皇后さまの言葉を繰り返すように口元を動かし、皇后さまにとっての大変なときを支えていらっしゃるのを見ることができた。このビデオメッセージを見ればこそ、天皇陛下はその内に秘められた類い稀なる力で、どんな困難も乗り越えていかれるに違いないと確信するのである。

この記事に示された見解はスプートニク編集部のものとは必ずしも一致していません。

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日本, 天皇ご一家
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