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    なぜ軍用エクラノプランが必要なのか?

    なぜ軍用エクラノプランが必要なのか?

    © Sputnik/ Alexander Polyakov
    ロシア
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    ロシア海軍高官が、ロシアでエクラノプラン(地面効果翼機)の製造が再開される、と述べ、リア・ノーヴォスチが伝えた。製造は2020年に始まる予定。戦略技術分析センターのワシーリイ・カシン氏がスプートニクに対し、その展望を語ってくれた。

    ロシアはエクラノプランの開発・製造で世界首位である。ソ連時代に膨大な経験を蓄積したためだ。ソ連は誘導ミサイル搭載戦闘用エクラノプラン「ルニ」を世界で唯一開発した。
    エクラノプランの実験は1980年代後半・90年代前半も続いた。しかしソ連崩壊で停止。他方、ソ連崩壊が軍用エクラノプラン開発停止の唯一の原因というわけではなかった。エクラノプランの実効性については既にソ連軍高官から大いに疑問視されていた。

    エクラノプランは船と飛行機のハイブリッドである。水面ぎりぎりを低空飛行できる。いわゆる地面効果を使うのである。エクラノプランは着水性能にすぐれ、同じ大きさの航空機に比べ、経済的で、安い。他方、速度は限られており、時速500kmを超えることが出来ない。エクラノプランは平らでない地面から離陸できない。また、氷がでこぼこしているとき、氷上離陸が出来ない。エクラノプランはまた、飛行機より天候に大きく左右される。

    エクラノプランを船と比べると、速度は格段にはやいが、兵器や防護装置を積める量は少なく、自律航行の距離と時間は大きく天候に依存する。

    ロシアが面している海はほとんどが冷たく、荒い海である。エクラノプランはさらに大きな問題に直面するかもしれない。いま問題になっているのは、既存の技術を根本改善する目的でなされる、将来的な実験と研究の実施ということかも知れない。エクラノプランの大量製造のロシアへのメリットは疑わしい。

    他方、ミサイル搭載大型軍用エクラノプランは一定の輸出先を見出すかも知れない。東および南アジアの温かい海であれば、北氷洋ないし太平洋の北極圏よりは、エクラノプランは有益だ。だから中国はすでにロシアから小型輸送用エクラノプラン「イヴォルガ」の技術を取得したのである。

    エクラノプランには飛行場が要らない。小さな島にも簡単に配備できる。その島は補給基地として使用されるだろう。将来的に中国は、たとえば、エクラノプランを南シナ海に造成した人工島に配備するかも知れない。エクラノプランは装備においても戦略航空隊の普通の軍用機を凌駕するかもしれない。そして、ロシアのTu-160のような重量級爆撃機に匹敵するかもしれない。

    エクラノプラン開発にあたっては、その輸出展望が考慮されるかもしれない。ほかに説明があるとすれば、それは、多くの欠点をカバーしうるような、既存のエクラノプランの構造を根本改善する期待というものだろう。

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