03:39 2019年10月20日
「9.11」

「昔は泣いたことがなかったのに、今では毎日泣いている」  救助作業員が語る NY「9.11」の恐ろしい瓦礫処理

© AFP 2019 / Doug Kanter
米国
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2001年9月11日ニューヨークのワールドトレードセンターツインタワーの崩壊現場。米国市民のジョン・フィルさんは瓦礫処理中に危うく命を落とすところだった。救助作業員がいかに尋常でない環境で作業をしたか、5日間の作業でスポーツマンから障がい者になってしまったことなど、フィルさんがスプートニク通信に語った。


9月11日、現代史上もっとも大規模なテロが米国で行われた。2機の旅客機がニューヨークのワールドトレードセンターに、また、3機目が米国国防省の建物に突入した。さらにもう1機はペンシルベニア州シャンクスヴィル市近郊に墜落した。その結果、2976人が犠牲となり、4千人以上が負傷した。


「あの日は自分の人生最悪の日」

ジョン・フィルさんが瓦礫処理を始めたのは9月11日から12日にかけての深夜だ。目にした恐怖を、今も忘れることはできない。

「2011年9月11日まで私は一度も泣いたことはありませんでした。今は毎日涙を流しています」とフィルさんは語る。医者はこのような不安な状態を心的外傷後ストレス障害(PTSD)と名付けている。

フィルさんは瓦礫の中で5日間作業し、6日目に重さ3.6トンの鉄骨構造が彼の左足を直撃した。フィルさんは11週間入院し、多くの手術を受けた。鉄の塊のせいで、フィルさんの足の一部は切断された。

「生きていることが幸運。亡くなったり、今なお亡くなる救助作業員もいる」

瓦礫処理作業に参加するまで、ジョン・フィルさんは自分を真のアスリートだと考えていた。軍隊ではいつも障害物レースでトップだったのだから。しかし彼は今では呼吸に大きな問題を抱えている。ツインタワーの瓦礫処理を思い出しながら、フィルさんは、他の救助作業員にも同じ症状があったと語る。誰もが咳をして、喉に痛みがあり、鼻汁を出していた。原因は、救助作業員が吸入せざるを得なかった有害物質ではないかと彼は考えている。

複数の情報によると、テロ攻撃後の数カ月、廃墟上空には塵の雲がかかっていた。その雲にはアスベスト、鉛、ベンゾール、カドミウム、水銀などの有毒粒子が含まれていた。

2010年だけでも、ニューヨーク市は1万1千人を超える救助作業員に6億5700万ドル(約707億7千万円)を支払うことに同意している。

フィルさんは今でも行政に責任があると考えている。行政は、建物の瓦礫がいかに健康に危険か知っていたが、誰もそのことを警告せず、特殊保護具を提供しなかった。

フィルさんは、「私たちは皆、自分が病人だと分かっているし、何年も病人であることを言い続けてきました。でも行政は、私たちは病気にはかかっていない、出まかせだと主張してきました」と憤慨し、「テロ攻撃の後処理の際にかかった病は、救助作業員の命を奪い続けている」と悲しそうに付け加えた。

「私は毎日、がんになるのではないかと思っている」

現在、フィルさんは「9.11」救助・復旧作業員支援基金を主宰している。フィルさんは、自分のような人の手助けをするため弁護士になったという。

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