ロシアはデフォルト状態であるが、本当のデフォルトではない?

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ルーブル - Sputnik 日本, 1920, 30.06.2022
今週最大の国際的なニュースとなったのが、欧州がロシアの外貨建て国債がデフォルト(債務不履行)状態に陥ったと発表したことである。しかしながら、ロシア政府はこれを否定した上で、それは技術的な問題によるものだとし、投資家に対する資金支払いの義務は遂行されていると主張している。この問題の本質について、またその解釈におけるロシアと西側の相違について、「スプートニク」が専門家にお話を伺った。また結果的に、こうした「本物とは言い難い」デフォルトがロシア経済に深刻な損害を与える可能性はあるのかどうか質問した。
ロシア高等経済学院世界経済国際政治学部のアレクセイ・ポルタンスキー教授は、これがロシア史上3回目のデフォルトであることは特筆すべきことであるとし、次のように述べている。
「最初のデフォルトは1918年、ボリシェヴィキが帝政ロシアとケレンスキー臨時政府の全債務の不履行を布告したときのことです。2回目のデフォルトは1998年。ロシアの経済危機が原因でした。しかし2022年の3回目は原則的に過去の2回とは異なるものです。というのも、ロシアには資金があるものの、西側からの制裁と、外国の金融システムなどがロシア関連の取引を禁止していることによって、支払いを行うことができないという状況にあるのです。つまり、今回の場合、問題は、西側の政治的決定を基礎としたもので、ロシアが財政的に困難な状況に置かれているためではありません。もう1つ、1998年のデフォルトとは大きく異なっている点があります。当時、ロシア政府はロシアの債権者と協議を実施し、支払いを延期するなど、状況を「打開」し、何らかの決定を下すことを可能にしました。しかし現在は、ウクライナ危機が解決されなければ、良好な解決策を見つけることはできません。ですから、現在のデフォルトは、今の段階では出口の見えない状態となっています」。
一方、雑誌「エクスペルト」の金融アナリスト、アンナ・コロリョワ氏は、ロシアのデフォルトをめぐる状況は、政治的なものであり、世界の投資家の前で、ロシアの信用を失墜しようとするものだとの見解を明らかにしている。
「西側とロシアの地政学的対立はかなり昔から続いていますが、現在それはかなり活発な局面に来ています。西側は自ら、ロシアの銀行をSWIFTシステムから除外し、外貨建て国際の支払いを禁止したのです。つまり、西側が「人為的に生じさせた不可抗力」の状況です。ロシアは債務をルーブルで返済する用意があるとし、実際、それを行なっていました。財務省は、債務者に支払いを行うため、自分たちができうるすべての手続きを取りました。しかし、西側はこの支払いを受け付けませんでした。この支払いを受け取るべき外国の銀行や寄託者がそれを債務者の元に届けなかったのです。ただ単に彼らが借り換えを行わなかったということです。しかも、米国のライセンスも意図的に延長をとりやめ、無効となりました。ロシアは債務者に対する義務を遂行するため、できる限りの手を尽くしました。従って、事実、このデフォルトは技術的な性質のものだと言えるのです」。
しかも支払額は1億ドルとそれほど大きな金額ではなかった。ロシアにとってこの財政的負担はまったく問題になるようなものではない。
ロシア国旗 - Sputnik 日本, 1920, 29.06.2022
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アレクセイ・ポルタンスキー氏は、よって、デフォルトに関する話はこれで終わりではなく、さらに続きがあるかもしれないと指摘している。
「ロシア国債の債権保有者(額は1億ドル)に続いて他の保有者(より大きな額の支払いを求めて)が続けば、ロシアはクロスデフォルトに認定されるかもしれません。なぜなら、金額が相当、大きなものになるからです。というのも、官民を合わせたロシア全体の対外債務は4500億ドルほどにのぼるのです」。
しかし、現時点で、ロシアのデフォルトは正式なものではなく、本質的に技術的なものである。
というのも、正式なデフォルトを認定するためには、ロシア債権保有者の25%以上が支払いを受け取っていないと宣言する必要があるからである。もしそうなれば、その他すべての外貨建て国債もデフォルトとなり、保有者は強制履行のための訴えを起こすことができる。そしてもしいかなる解決策も見出されなければ(1998年のデフォルトの時もそうであったように)、国外の資産などが差し押さえられることになると専門家は指摘している。

「さらにクロスデフォルトに陥れば、ロシアは西側のみならず、アジアでもお金を借りることができなくなります。世界においては、デフォルト状態の国にお金を貸すことはできない決まりになっています。しかし今回の場合、その結果はグローバルなものになる可能性があります。というのも、わたしが知る限り、クロスデフォルトがロシアのようにかなり大規模な経済を持つ国で起こるというような状況はこれまでになかったからです。今後どうなるかを100%予測するのはとても難しい状況です」。

日本の鈴木俊一財務大臣も似たような見解を示している。ロシアのデフォルトが認定されたのを受け、鈴木氏は、「これが経済にどのような影響をもたらすかについて、現時点で正確に評価するのはきわめて困難だ」と発言している。
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一方でアンナ・コロリョワ氏は、まともな投資家であれば今起こっていることの本質を理解することができるだろうと指摘している。
「ですから、彼らはロシアに対してではなく、彼らの元に資金を届けようとしない国の政府に憤慨すべきです。つまり、自分たちの国の市民にお金を返さない国の政府に責任があるのです。ただ、西側の報道では、ロシアと投資者を外から結びつけるまったく違う図式を見せています」。
これにより、世界の金融部門では複雑な状況が出来上がっている。そして、それを解決するには、西側の対露措置、そしてまたそれに対するロシア側からの対抗策によって、まだまだ長い年月が必要とされるだろうとコロリョワ氏は述べている。
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