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    田中伸男・笹川平和財団理事長

    前IEA事務局長・田中氏「持続可能な原子力の平和利用で日露は協力できる」

    © AFP 2017/ Fayez Nureldine
    経済
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    徳山 あすか
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    福島原発の事故以来、日本国内では新規の原発の建設は全く見込めない状況になっているため、政府・原発メーカーとも、輸出に力を入れる方向へシフトしている。今月にも安部首相はインドを訪問し、日本の原発輸出を可能にする原子力協定の締結に大筋合意をするつもりだ。ベトナムは既に日本などの協力により国内初の原発の着工を予定している。また、今年8月チェコ下院議長が初来日した際も、チェコが原発の増設を検討していることを受け、安部首相は原子力分野も含めた協力関係を強化していきたいという姿勢を明らかにした。

    いっぽうのロシアも原発の輸出には積極的だ。ロシア国営原子力企業・ロスアトムは中国やインド等と大口契約を締結済で、新興国での売り上げを伸ばしている。両国はライバルに見えるが、協力できる部分も多い。日露原子力協定は、2012年5月に発効されている。前国際エネルギー機関(IEA)事務局長で、エネルギー問題に詳しい田中伸男氏(笹川平和財団理事長)に今後の原子力分野での日露協力の可能性についてお話を伺った。

    田中氏「原子力発電についての協力は十分できると思います。日本側はロスアトム社の関係者らと色々な話もしているでしょう。原子力発電というのは安全に配慮しながら進めていかないと国民の理解を得られません。これはロシアでも日本でも同じです。それから日本の場合、核不拡散に十分注意しながら原子力を使っていかなければいけません。つまりは『核兵器にならない』という意味の平和利用ですね。

    ロシアの場合は途上国に技術提供、輸出をしています。日本もやはり同じように、これから途上国が原子力発電を行うにあたって原子炉を輸出しようと考えています。日本がロシアと協力して原子力の平和的な利用、核兵器にしないような形での技術移転を考えるのは十分あり得る話です。それから安全の問題は、途上国で原子力発電を行う場合に最も重要な要素のひとつです。更に、原子力を利用すると核のゴミが出てきます。高レベル廃棄物の処理、または使用済み燃料の処理というのは原子力発電をやる以上、どうしても必要になってきます。途上国が原子力を使った場合に廃棄物・使用済み燃料をどう処理すればよいかという答えがないと、推進することはできないわけです。この点ロシアは再処理の技術を持っていますし、日本にも再処理と高速炉の技術があります。高速炉についてはロシアでも非常に研究されています。そういう新しい、より持続可能性のある原子力技術の研究がなされていくでしょう。

    私はアメリカがかつて開発した技術『統合型高速炉』の推進を提案していますが、ロシアにもそのような持続可能な技術というのは当然あるだろうと思われます。それらについて日露で協力して、これからの世界の原子力モデルを作っていくことが考えられます。」

    折りしも先日、ロスアトムは東京で初のワークショップを開催し、日本の原子力関係者に自社のバックエンド技術をアピールする機会を得た。具体的なプロジェクトが今後、日露間で進んでいくことが期待できる。

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    露日関係, ロシア, 日本
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