20:51 2021年10月16日
経済
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北海道とロシア極東の貿易を専門に手がける地域密着型商社、北海道総合商事株式会社が本格始動だ。同社は、昨年10月に北海道内の複数の民間企業が設立したもので、北海道銀行と業務提携を結んでいる。地元企業の出資でロシア極東に特化した商社を作るのは、全国で初の試みだ。

同社の代表取締役社長には、北海道銀行から出向した天間幸生(てんま・ゆきお)氏が就任した。天間氏は昨年11月末まで北海道銀行ウラジオストク駐在員事務所長を務めていた。それ以前は道銀ユジノサハリンスク駐在員事務所の副所長として、ウラジオストク事務所の設立準備に携わってきた。

天間氏は北海道、とりわけ中小企業のロシア進出を長期にわたりサポートしてきた。例えば帯広の住宅メーカー「ロゴスホーム」の進出もそのひとつだ。寒冷地住宅を得意とするロゴスホームはロシア極東での分譲住宅事業を検討していたが、天間氏はまず内装事業を展開することを薦めた。ロシアでは通常、マンションタイプの新築住宅は「内装なし」のスケルトン状態で引き渡されるため、ニーズがあると見込んだのだ。中小企業は海外に進出するとなると、現地ニーズを見極めるための情報を入手しにくい。北海道銀行は、必要な情報を道内の中小企業にリアルタイムに伝えて、ビジネスの可能性を提供することをロシア事業の柱としてきた。

北海道の産品をロシアへ販売することは、北海道経済の成長にとって欠かせない。ルーブル下落でロシア経済は停滞局面を迎えているが、安全で質の高い産品へのニーズは根強い。天間氏は、ビジネス環境は常に変化しているものであり、長期的視点をもつべきだと主張している。

天間氏「計画を立てた段階ではビジネス環境がたまたま良く、実行の段階になって悪くなるときもありますし、その逆もあり得ます。ビジネスのスタイルを経済状況に合わせて変えなくてはいけない、ということはありますが、トータルで中長期的に見ていくべきです。ロシアはポテンシャルのある国であり、北海道総合商事を立ち上げるという構想はこのタイミングが一番良かったと思っています。今の状況の中でも実行できることはたくさんあります。」

天間氏は、ロシアには消費地としてだけではなく、生産加工拠点としても大きなポテンシャルがあるとみている。

天間氏「私自身は、ただ単にモノを売るだけという商売はなかなか成り立ちにくいのではないかと思っており、現地でプロジェクトを実行していくことが必要だと思います。お客様と一緒に現地展開している仕事の中では、水産加工をロシア極東で行って、日本、北海道に輸入していくというプロジェクトもあります。農産物についても、北海道からロシア極東へ輸出しようという試みがありますが、それだけではありません。将来的には北海道で培った技術を活用してロシア極東で農産物を生産し、現地の消費地に提供していくということもあり得ます。現地生産・現地製造については可能性が大いにあると思っています。」

 

 

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