10:21 2020年09月23日
新型コロナウイルス
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統計ウェブサイトWorldometersによると、新型コロナウイルスはすでに205の国・地域に広がっている。各国政府はウイルス蔓延を阻止するため前例のない措置をとっている。ほぼ完全に隔離することが最も一般的なコロナウイルス対策のようだ。しかし中にはよりハードな選択をする国もある。スプートニク通信は各戦略の長所と短所を調べてみた。


先を行く中国

中国はコロナウイルス蔓延に最初に直面した国であり、その規模と危険度をすぐには計ることはできなかった。しかしコロナウイルスが制御不能になり、中国当局は一気に強硬策を進めた。航空・鉄道網は閉鎖あるいは制限され、ウイルス対策に医療関係者が総動員された。防護服着用の特別隊が街を塩素系漂白剤(次亜塩素酸カルシウム)で洗浄し、市民には外出制限と公共の場所への訪問制限が課された。これら規則を違反した場合の行政および刑事責任も設定された。特に危険な感染者を捕獲・無力化する訓練も行われた。

© REUTERS / Tingshu Wang
北京

中国は現在も特別態勢下にあり、武漢市場への立入りは依然として禁止されている。ただし新設の柵・壁はこれ以上作られることはなく、すでに撤去されつつある。習近平国家主席はすでに国内複数地域を回り、中国産業が復活する兆しをアピールした。もう間もなく、中国企業は他国に先駆けてモノ不足の解消に動きそうだ。

© AFP 2020 / Stringer
武漢

欧州で隔離体制を敷いていないのはわずか2か国

欧州では3月中旬、感染者が急増したため各国が隔離体制を導入し始めた。イタリア、スペイン、フランス、英国などで文化・スポーツ、教育、宗教など国・民間問わず全ての行事が中止あるいは延期となった。当初は人が集まる場所は避けるようにという程度が、その後、自宅に留まるよう求められた。各国とも措置の厳しさは感染程度と政権の決断力により様々であり、例えばネーデルランド(オランダ)では4月末まで全ての文化・スポーツ施設、学校、大学が閉鎖となる一方で、外出禁止にはなっておらず、ロックダウン(都市封鎖)をする国との違いが顕著に現れている。

© REUTERS / Toby Melville
ロンドン

EU加盟国で唯一隔離体制を導入していないのがスウェーデンだ。同国の疫学権威であるアンデルス・テグネル氏は、集団免疫を獲得するために国民の大半がコロナウイルス感染症に罹患すべきと考えている。この方法は市民一人一人の責任感を喚起することになり、ストックホルムでは市民の約半数がリモートワークに移行し、地下鉄の混雑は半減した。政府は今後も可能な限りリモートワークへの移行を推奨し、70歳以上の高齢者との接触を避けるなど呼びかけている。保育園や幼稚園、学校、レストランやバー、公共交通は営業を続けており、大学のみが閉鎖となった。またスウェーデンは国境を閉鎖しておらず、隣国のデンマークが3月10日、ノルウェーが3月11日に国境閉鎖をしたのと対照的だ。現在、欧州ではスウェーデンとベラルーシの2か国だけが外出禁止や自主隔離体制を敷いていない。

ストックホルムの散歩者 2020年3月
© REUTERS / TT News Agency / Henrik Montgomery
ストックホルム

米国の感染者数は世界最高

米国のトランプ大統領は3月13日、非常事態宣言を発令した。制限の内容は、バー、カフェ、レストラン、非食品店などの閉鎖、一時的な外国人入国禁止、教育機関の遠隔授業への移行、会議などのオンライン移行など。アメリカ国防省は軍人の国内移動を制限した。米国の非常事態は4月末まで延期されている。これら対策にもかかわらず米国の感染者数は世界一となっている。

© REUTERS / Jeenah Moon
ニューヨーク

トランプ大統領は現在、ウイルス蔓延の緊急対策の遅れなどで批判されている。国内専門家は、ワシントンの対応には6週間のロスがあったと指摘。この時間で検査キット、マスク、医療関係者用防護服、人工呼吸器などの準備ができたはずだとしている。


韓国:徹底した検査・追跡体制

韓国の初症例は1月末に確認され、2月には感染者数は中国に続き世界2位だった(1万人以上)。韓国政府は疫学的脅威を最高レベルに引き上げた。韓国では学校や教会が閉鎖され、集団行事は禁止されているが、人の移動制限はない。4都市のみで外出自粛が要請されている。3月に罹患率は急減し、4月6日の時点で1日あたりの新規症例がわずか47人で、これは2月末以来の数字となった。これに貢献したのは徹底的な検査・追跡体制にあると考えられている。韓国では毎日約2万人の「疑わしき人物」のウイルス検査を行い、これまでに合計で43万7000件の検査が実施された。感染症キャリアの移動も追跡され、感染者が誰と会ったかを把握し、接触者は全て検査対象とした。また支払いカードや携帯電話、ビデオカメラも追跡を行った。コロナウイルス感染者の移動情報は全て公開され、インターネットやテキストメッセージ、マスコミを通して拡散された。感染症キャリアと偶然に接触したと判明した際は即座に診察を受け、症状が出た場合は隔離となる。ちなみに韓国は食品やトイレットペーパーの買占め騒動が行らなかった数少ない国である。

© REUTERS / Yonhap / Stringer
文在寅大統領

日本:緩やかな体制から非常事態宣言まで
コロナウイルス
© AP Photo / Eugene Hoshiko
東京

日本の安倍首相は3月中旬、コロナウイルス対策として非常措置をとる理由はないと発言していた。集団行事は自粛要請の対象となるものの、自主隔離については緩やかな対応だった。国民側は一斉検査を行わない当局に大きな不満を示したが、習慣や文化的特徴から衛生ルールを守っていた。3月28日に国内で初めて1日の感染者数が100人を超え、安倍首相はコロナウイルスとの闘いは長期戦となる可能性があり、その覚悟をもつように呼びかけた。4月7日から日本では非常事態となる。対象地域は東京、大阪、福岡、千葉、神奈川、埼玉、兵庫の7都道府県。ただし諸外国とは異なり、ロックダウン(都市封鎖)は行わないと安倍首相は説明した。これが効果的となるかは、時が経てば分かるだろう。


ロシアは国民の意識に期待

ロシアで新型コロナウイルス感染者が初めて確認されたのは1月31日で、中国籍2人だった。その後初期のコロナウイルス対策がとられた。湖北省とその中心地である武漢市からロシア国民を避難させ、ロシア到着後は14日間の隔離状態に置いた。その後、ロシア・中国間のビザなし渡航は停止となり、中国との航空・鉄道輸送も制限された。集団行事は中止され、文化・スポーツ施設は閉鎖、学校や大学では長期休暇が延長され、その後オンライン授業へと移行した。多くの企業は当初、自己判断に任されていたが、政府の要請によりリモートワークに移行した。

© Sputnik / Vladimir Astapkovich
モスクワ

3月30日にはロシア全国で自主隔離体制となった。特別な用事がなければ自宅を出ることが禁止されている。例外は治安機関、医療、食品・医薬品供給、社会インフラの関係者。自主隔離の違反者は処罰の対象になる。非常事態宣言はまだ発令されていない。


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