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    谷内正太郎氏

    谷内NSC局長訪露 領土問題解決を近づける更なる一歩か?

    © AFP 2017/ Wu Hong
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    11月8日から10日まで、モスクワで日本の国家安全保障会議(NSC)の谷内正太郎国家安全保障局長とロシアのニコライ・パトルシェフ国家安全保障会議書記が会談する。

    この訪問は、12月中旬に予定されているプーチン大統領の日本訪問に向けた事前準備の一環である。共同通信の報道によれば、日本側は、今回の訪問が、平和条約問題をめぐる両国の立場を近づけることに向け、肯定的影響を与えることを期待している。

    両国の安全保障会議の責任者同士の会合では今回、領土問題、政治安全保障分野での協力、さらには朝鮮半島やシリア紛争などにおける国際安全保障の諸問題を含め、平和条約締結に関する露日交渉実施に向けた双方のアプローチについて意見が交換される予定だ。

    谷内局長は、対外問題に関し安倍首相に最も近い顧問だとみなされている。2009年、国際問題に関する政府顧問であった時、南クリル(日本でいる北方領土4島)を「その面積で等分に分ける」というプランの作成者となった。国際的な実践では、そうした領土問題の解決法は実際あったが、日本国内では、この所謂「3.5島返還案」は問題視され、谷内氏は外務省顧問を退任した。しかし後に安倍氏は、谷内氏を再び政治の世界に戻し、2013年11月に作られた国家安全保障会議(NSC)の局長に任命した。

    今春、谷内局長は、ロシアと関係した件で訪米することになった。これは、5月に安倍首相がソチを訪問し、プーチン大統領と非公式会談をするとの計画に米国側が不満であったことによるものだ。オバマ大統領は「今はそうした訪問をすべき時期ではない」と述べたが、谷内局長は、日露間に存在する領土問題を解決したいとの安倍首相の熱い希望を説明し、米指導部に理解を求め、自分の使命をやり遂げた。

    スプートニク日本記者は、ロシア極東研究所日本センターのヴィクトル・クズィメンコフ主任研究員に、意見を聞いた-

    「安倍首相は、是非ともクリル問題を終わらせたいと欲している。彼くらいこの問題に関心を抱く首相は、おそらくもういないだろう。安倍氏にとって、これは命をかけた仕事なのだ。それを始めたのは彼の父だった。安倍晋太郎氏は外務大臣として、それに取り組んだ。先日安倍首相は国会で、領土問題を解決し、終戦後71年経っても平和条約が締結されないという異常な状態に終止符を打ち、経済やエネルギーといった分野での日露協力を促すつもりだと述べたが、この発言は決して偶然なされたものではないと思う。もしプーチン大統領と彼との外交的関係が実りをもたらすに違いないとの兆候がなければ、ああした勇気ある発言は、おそらくしなかっただろう。」

    実際、プーチン大統領は何度も、平和条約締結の可能性について述べてきた。つまり、何かと交換したり何かを売り渡したりするのではなく、どちらの側も自分を勝者でも敗者でもないと感じるような解決法の模索についてである。今年9月には、プーチン大統領は、1956年の共同宣言によりソ連が4島のうち2島を譲渡すると提案したことに注意を促し,この問題をめぐる歩み寄りの可能性を認めた。

    最後に一言付け加えたい。米国当局が、何よりも大統領選挙の結果を憂慮し、日本が同盟国である米国による安全保障にそれほどの確信をもう持たず、政策を見直すのではないかとの懸念を深めている今、そして一方でロシアが、アジア太平洋地域での実務的・実際的コンタクトの確立が急務だと感じている今、ロシアと日本の良識ある政治家達は、北東アジアにおけるパワーバランスを安定化させるために、幅広い政治的経済的関係を打ち立てることが必要不可欠だと考えている。この地域では、米国は自分のゲームを進め、すでに中国はあまりにも積極的に自身の力を示し、そして北朝鮮はと言えば、今後どんな政策をとってゆくのか、ますます予測できなくなっているからである。

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