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    安倍首相

    安倍首相の対露戦略を不安視する西側パートナー諸国

    © AFP 2017/ Saul Loeb
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    来月12月、ウラジーミル・プーチン大統領の日本訪問が予定されている。これはプーチン氏にとって大統領として11年ぶりの訪日である。安倍首相は、領土問題を袋小路から抜け出させる決意を公に表明している。世界各国のマスコミは、そうした方向に向けた首相の努力を、若干の困惑を持って分析している。

    例えば新聞The Financial Time(ザ・ファイナンシャル・タイムズ)は、日本はなぜ、西側の反ロシア制裁の論理に反し、他ならぬ今、ロシアとの経済協力を拡大するつもりなのか理解できないと論評した。先頃安倍首相は、モスクワへ世耕経済産業相を派遣した。経済協力の具体的諸問題を話し合うためである。

    The Financial Times紙は、安倍首相のこうした戦略は、領土問題に関するプーチン大統領との交渉を容易にするため必要不可欠な基盤づくりを目指したものだと捉えている。しかし同紙は「安倍首相は、ロシアとの関係において慎重さを発揮すべきだ。なぜなら将来的に日本のそうした対ロシア行動戦術は、G7枠内での相互行動を弱め、対露制裁を台無しにする恐れがあるからだ」と指摘している。では何が、西側パートナー諸国の信頼を失うリスクを負ってまで、安倍首相をそうした方向に向かわせているのだろうか?

    ロシア極東研究所日本調査センターの指導者、ワレーリイ・キスタノフ氏の意見では「日本国内には今、プーチン大統領がそうしたアプローチを大変気に入っているとの確固たる信念がある」とのことだ。つまり「まさに今この時こそ、こうした経済戦略にとって最もふさわしい時なのだ、なぜならロシアは今、これまで以上に外国からの投資を必要としているからだ」という意見である。

    キスタノフ氏は、さらに次のように指摘している-

    「日本側は、ロシアがそうしたジェスチャーに感謝することを期待して、経済協力を提案している。ロシアが原油価格の下落と制裁に関連して容易でない経済状態にある時には、特に評価すると考えている。ロシアにとって実際、それは重要だ。まず第一に、デモンストレーションという観点からだ。西側パートナー諸国が制裁を堅持している一方で、日本が、そうした制裁を事実上、犯すのを示すのは重要である。もちろん日本は公式的には、この制裁に加わっているが、二重の立場をとっている。日本の制裁は当初から、うわべだけの性格を持っており、それらはロシア経済に本質的ないかなる損失も与えていない。しかし今回、日本は、さらにその先に踏み込んでいる。ロシアとの一層積極的な協力の方向に進んでいる。これに対しロシアも、感謝のしるしに、領土問題交渉で何らかの譲歩をするのではないかと期待されている。領土問題の解決は、対ロシア関係において安倍首相にとっては、優先課題なのだ。 」

    しかし安倍首相の戦略を分析し、新聞The Financial Timesは「彼の戦略にはまた別の少なからず重要な目的がある」との結論を出し「安倍首相は、日本がロシアに接近すれば、ロ中同盟のさらなる強化を妨害できると考えている」と指摘した。

    これに関連してキスタノフ氏は、次のように述べている-

    「安倍首相の戦略において、中国というファクターは実際、重要な役割を果たしている。日本は、制裁という条件の中、ロシアが経済や軍事協力の領域において中国との関係ばかり強化していることに大きな不安を感じている。また露中の接近が、反日を基盤に行われる可能性がある事も心配している。なぜなら中国もロシアも、歴史的に日本と戦争をした経験を持っているからだ。経済的措置の助けを借りて安倍首相は、露中接近にブレーキをかけ何とかバランスを取ろうと試みている。それ以外に日本には、中国が、ロシアのエネルギーその他の資源を極東において独占するのではないかとの強い不安感がある。この事もまた、安倍首相をまさに今ロシアと接近させている動機の一つになっている。」

    このように指摘したキスタノフ氏は、最後にもう一つ、安倍首相がロシアとの関係確立を目指す重要な目的をあげ、次のように述べた-

    「安倍首相は、日本の自衛隊を完全な軍隊に変えた政治家として、歴史に名を残したいと望んでいる。自主的な政策を取り、ある程度可能な限り、米国から距離を置きたいと考えている。これがまさに、安倍首相が、ワシントンの批判に逆らって、自分の戦略に粘り強く執着している、もう一つの動機である。」

    とはいえ対ロシア関係における状況は、米国の側からの影響で変化するかもしれない。なぜなら、もうすぐホワイトハウスには、新しい大統領と行政府が登場するからだ。

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