05:55 2020年01月24日
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米国の大統領選挙後わずか9日の11月17日、安倍首相が次期米国大統領ドナルド・トランプ氏とニューヨークで会談した。安倍首相は詳細な報告を避けながら、トランプ氏は「信頼できるリーダー」であると指摘した。

しかし、選挙期間中、トランプ氏は、日本に直接関係する一連の問題について、かなり過激な見解を示していた。専門家たちは、基本的に、日米の戦略的協力関係は不変である、と指摘している。例えば、日本に米軍基地が存続することは、疑問視さえされていない。ただ、トランプ氏は日本が自らの安全のためにより多くの負担を負うよう日本に強いようとしている。
同時に、沖縄での多数の事件をきっかけに、日本人の米軍に対する立場は、控えめに言っても複雑であり、しばしば大規模抗議行動にも発展している。

安倍・トランプ会談の当日、那覇地裁は日本政府に対し、米軍基地のそばで暮らす普天間市民に、騒音に対する補償金として約2260万ドルを支払うよう命じた。しかし那覇地裁は、住宅街に隣接し世界一危険とされる普天間基地周辺での米軍機の飛行を禁止する要求は控えた。普天間の危険性は沖縄で伝統的に反体制的な勢力が強い一因になっており、地裁判決がしばしば日本政府の立場と相違をきたす理由もここにある。しかし今回は、基地は依然として存続するが、金銭的な補償によって、安倍首相と沖縄県民は一時的に和解しそうであり、同時に、それは次期米国大統領をも利することとなる。国際関係と日本学が専門の歴史家・政治学者ドミトリー・ストレリツォフ氏はスプートニクに次のように語った。

「今、トランプ氏は、政治家らしくなるようにと、過激な発言を大幅に抑制している。そして、現実的な路線を構築する意向を示している。ただ、日本は今のままでも米軍基地の維持のために他のどの国よりもはるかに多くの支払いを行っている。一部の国では米国は基地維持費を全額支弁している。日本の米軍基地は自らの北東アジアにおける安全保障戦略にとって非常に重要だ。つまり、基地は地域における米国の国益をも保護するものなのだ。トランプ氏もこれを理解していると思う。したがって、日本は米軍基地の費用を全面負担すべきだとの発言からは、すでに遠ざかったと思う。今後は発言もより柔らかになっていくだろう。ニューヨークの安倍・トランプ会談で両者はこの問題に関する理解を深めただろう」

しかし、沖縄の状況は定期的に悪化する。日本人のメンタリティーにも、沖縄の人たちは独自の言語と文化を持った独自の民であるとして、一定の差別的立場が存在する。沖縄は19世紀の後半になってやっと日本に加わったのだ。第二次世界大戦の時にさえ、日本人は沖縄の人たちを完全には信用しなかった、とストレリツォフ氏。

「沖縄の人たちは単純な肉体労働に使役されることが多かった。キャリアを積むチャンスが与えられなかった。沖縄の人たちは完全に日本人と同じではないという意識は目に見えない形で今も残っている。しかも沖縄には何らの産業もなく、経済的に立ち遅れている。中央からのお金に完全に依存しており、その経済は米軍基地にほぼ縛り付けられている。こうしたことがある種の劣等感のもとになり、沖縄に、国内で最も強い反体制的な感情を生んでいる。議会選挙で共産党が勝利する唯一の県が沖縄であることも故のないことではない。日本政府にとってはやはりこうしたことは問題だ」

このような状況では、安倍首相の政策は今後も「アメとムチ」のままだろう、とストレリツォフ氏。

「安倍首相は米軍基地が存続すること、これを考慮する必要があることを十分承知している。一方で、強い反体制的感情もやはり何とか克服しなければならない。最も簡単な解決策はお金だ。一方では基地がある地域の住民に中央から補償金を与える。一方では、あまりに過激な行動は現地で抑制し、沈静化させる。一般的に言って、現状でも、沖縄の声は国レベルでは通りがよくない。日本人が沖縄を特別な地域と見なしているからである」

航空機の騒音からくる精神的苦痛に加えて、沖縄県民は、米軍兵士による環境の汚染や、基地周辺での犯罪件数増加に苦慮している。これらの不具合は金銭によって補償され得るのだろうか。

なお記事の中で述べられている見解は、必ずしも編集部の立場とは一致していません。

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日米関係, 日本, 沖縄
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