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    日露首脳会談:どのように領土問題は日露外交の脇へ追いやられたのか?

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    徳山 あすか, タチヤナ フロニ
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    今日27日、安倍首相がモスクワを公式訪問し、日露首脳会談が行われる。プーチン大統領が昨年12月に日本を訪問してから4か月半が経過し、この間に専門家や世論の日露関係に対する期待は大きく変化した。

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    今年2月、メドベージェフ首相は、クリル諸島の「名無し」の5つの無人島にソ連の将軍や政治家の名前をつけた。これに日本は反対し、ロシアに抗議の意を表した。ロシア高等経済学院・国際政治経済学部のアンドレイ・フェシュン准教授は「こういったやり取りは最早、形式的なもの」と話す。このことは安倍首相のロシア訪問に影響を与えなかった。フェシュン氏の見解では、今回の安倍首相の訪露の目的は、日露の経済協力の進展を確認するだけではなく、近い未来の韓国・中国外交の方向性を決める材料を見つけることだ。

    ​フェシュン氏「日本にとって、米国が潜在的に北朝鮮を攻撃するかもしれないということは、経済的に非常に大きな利益があります。これによって日本のライバルである韓国の力は弱まりますし、中国も弱体化するかもしれません。北朝鮮からの難民は中国に逃れると思われるからです。この状況下で、安倍首相がプーチン大統領から聞きたい情報は何でしょうか?それは、北朝鮮が経済制裁されている中で、ロシアがどの程度北朝鮮を援助するつもりなのかということです。安倍首相は、北朝鮮が日本に及ぼす脅威についても話し合うつもりでしょう。クリルの共同経済活動というテーマは、日本にとってはまだかなりあやふやなものです。中小企業や観光業界は、すでにクリルで活動する準備ができていますが、日本は新しい法的基盤の整備の必要性を主張しています。全体的に、クリルのテーマは脇へ追いやられ、近い未来に解決の見込めないシンボル的なものになったと思います」

    日本の政治団体「一水会」の木村三浩代表は、今回の首脳会談でシリア問題について言及があるかどうか注目したいと話す。今月4日、シリアで空爆があり、米国はアサド政権が化学兵器を使用したとして、7日に巡航ミサイルでシリア軍の空軍施設を攻撃した。これで米露関係はいっそう冷え込んだが、安倍首相は「化学兵器の使用を許さない米国の決意を支持」すると表明した。

    木村氏「米国はシリアが化学兵器を全面廃棄していないとみなしていますが、この疑惑に対しては、調査団を派遣して事の真偽を確かめるべきです。米国は過去に過ちを犯しています。イラク戦争開戦前に『イラクが大量破壊兵器を隠し持っている』と訴え、攻撃を正当化しましたが、後になってそれは誤りだったとわかりました。ですから今回はシリアの化学兵器の有無について、日本が第三者として客観的に確認することをロシアに提案すればよい。ロシアとしても日本の中立性が必要でしょう」

    ロシアの著名な日本専門家の一人、モスクワ国際関係大学のドミトリー・ストレリツォフ教授は、今回の首脳会談を昨年12月よりも楽観視しているという。

    ストレリツォフ氏「対露関係に対して、安倍首相は世論に一喜一憂せず、独自のポジションをとっています。彼には実現したいプランがあり、そのレールに沿って、一歩一歩進んでいくと思います。安倍首相が2021年まで自民党総裁、総理大臣でい続ける可能性も生まれ、停滞している問題を解決する可能性が高まってきています。そして来年プーチン大統領が再選すれば、新しい日露関係のレールを、落ち着いて敷いていくことが可能になるでしょう」

    昨年12月は、「ロシアが領土問題に関して何らかの譲歩をするのではないか」という根拠のない情報が日本のメディアを席巻し、報道が過熱していたが、今回日本にそのような幻想は見られない。日露の二国間関係・領土問題よりも急を要する協議テーマが増えすぎてしまい、むしろ何に期待をするべきなのか、限定できなくなっているのだ。

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    露日関係, 日本, ロシア
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