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    「猫の育児放棄も何もかもプーチンが悪い」

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    リュドミラ サーキャン
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    米非政府組織「ロシア調査委員会(Committee to Investigate Russia, CIR)」は、アカデミー賞を受賞したことがある有名な米俳優で監督のモーガン・フリーマン氏がロシアからの攻撃について呼びかける動画を公開した。同組織のサイトとツイッターに公開した動画の冒頭でフリーマン氏は「私たちは攻撃されている。戦争状態にあるのだ」と発言した。

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    フリーマン氏はロシアが民主主義的原則を侵害し、「プロパガンダと偽情報」を拡散していると非難し、トランプ大統領に、人々に真実を話して昨年の米大統領選挙へのロシアの介入を認め、民主主義を守るように呼びかける。委員会の目的は米国の民主主義への「ロシアの継続する攻撃の深刻さを全て認識して理解する」よう市民を助けることにあるという。

    ​一方ロシアのペスコフ大統領報道官は、ロシア大統領府が、米国の民主主義をロシア政府が「攻撃」しているとするフリーマン氏の言葉を真剣には受け止めないとして、フリーマン氏は「感情的な昂揚」の犠牲者となったのであり、現実の様相を知らないと述べた。

    スプートニクのインタビューに対して、有名なロシアの監督であり映画スタジオのモスフィルム社長であるカレン・シャフナザーロフ氏は、フリーマン氏の呼びかけが非常に危ういとする見解を示した。

    カレン・シャフナザーロフ
    © Sputnik/ Алексей Филиппов
    カレン・シャフナザーロフ

    初代米国国務長官ジェームズ・フォレスタルの歴史をフリーマン氏に思い起こさせたいところだ。彼はパラノイアに陥り『ロシア人が進んでいる!ロシアの兵士がそこらじゅうに見える』と叫びながら、精神病院で人生を終えた。これは歴史的事実である。また、同じく米国人のスタンリー・キューブリック監督の『博士の異常な愛情』を観直すよう勧めたいところだ。そこでは将軍が『ロシアが攻めてくる』と気が狂い、命令に違反し、周囲の者全ての裏切りを疑いながら、ソ連を爆撃するようパイロットたちを送ったのだ。この映画は偶発的な核戦争についての教訓を持つ深刻な物語だ。そのため、フリーマン氏が行ったような声明は世論の中で根拠のない恐怖に火を付け、不安定な精神状態の人々を不適切な行動へと掻き立てる可能性もあるため、非常に危険だ。

    スプートニクのインタビューに対して、「人口に膾炙したロシアの脅威という主張はトランプ大統領と共和党を攻撃するとても都合のいい道具だ」として、ロシアの作家であり政治学者、米国の国内政治と外交政策の専門家であるドミトリー・ドロブニツキ-氏は次のような見方を示した。

    「米国では文字通りトランプ氏の就任初日からすでに、『抵抗』の旗印を掲げて1つになった多くの運動が生まれた。抵抗とは、現米大統領への抵抗のことだ。この運動にはヒラリー・クリントン氏やハリウッドスター、セレブに加え、一連のリベラル系メディアが加わっている。

    しかし、その運動は時に常識の枠外に飛び出る。例えば米国の女優でCNNの番組司会者だったキャシー・グリフィン氏がインスタグラムに投稿した写真では、彼女がダーイシュ(イスラム国、IS)に倣い首を切ったトランプ大統領の作り物の頭部を手にしていた。これに先立ち歌姫マドンナは首都ワシントンで行われた抗議デモでホワイトハウスを爆破したいと発言していた。ジョニー・デップ氏は長らく俳優が大統領を殺しておらず、実行する時は来ていないと発言した。このような不健康な状況を作るのは、トランプ氏が大統領になったという事実を今に至るまで認められない人々だということはわかりきったことだ。

    しかし、全ての米国人があらゆるところにロシアの責任を目にする用意が出来ている状況とはほど遠い。すべての責任をロシアにかぶせる潮流を笑い飛ばすハッシュタグが生まれたのもわけがある。『家が焼けたのはロシアのせいだ。犬が芝生に小便をしたのもやっぱりロシア人が悪い。』そして、米露関係は極めて低いレベルに落ち込んだとは言え、多くの場合この種のヒステリーはやはり国内のオーディエンスに向けられている。確かに私たちの2国間関係も害されるが。そしてもちろん、このキャンペーンはすべて非常にイデオロギー的であり、冷戦時代にソ連が出したプロパガンダを思わせる」。

    ドロブニツキ-氏は、フリーマン氏に一定の圧力が加えられた可能性を除外できないとした上、ハリウッドの有名監督や俳優の主張が一般に受け入れられている考えと矛盾することから、彼らの参加が米国の映画祭に拒否されたケースを挙げた。

    米国の大統領選挙に介入したとして、ロシア政府は一度ならず非難を受けてきた。中でも、1月には米情報機関の報告書が一部公開され、その中では選挙戦の期間中に米国のコンピューターシステムを攻撃したハッカーの背後にはロシア政府が存在すると認定されている。それによればロシア政府の目的は米国内での政治プロセスに影響を与えることだったとされている。

    一方ロシア政府は、米民主・共和両党に対するサイバー攻撃への関与を一貫して認めておらず、米大統領選挙に介入したとの非難をすべて否定している

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    露米関係, ドナルド・トランプ, ウラジーミル・プーチン, 米国, ロシア
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