22:30 2019年09月19日
『バスチオン』

日本が「すっぱぬき」報道 クリル諸島に露ミサイル配備 ロシアは以前に公表

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南クリル諸島:不和あるいは協力の島? (75)
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東方経済フォーラムでのプーチン大統領・安倍首相の会談を目前に控えた2日、共同通信に、ロシアがオホーツク海を敵の船から守る目的でクリル諸島(日本名で千島列島)の2島に新型地対艦ミサイル「バスチオン」を配備する計画をもっているという記事が掲載された。これにより近いうちにもロシアは、カムチャッカ半島から北海道までの円弧状の領域に統一の防衛線を築く作業を終わらせる。共同通信はこのことが日露の平和条約交渉を複雑化させる恐れがあるとの見方を示した。

興味深いことに、共同通信は昨2018年12月の時点ですでに「バスチオン」配備構想について詳細な記事を掲載していた。だが今回の記事は、共同通信は入手したロシア当局の内部文書をもとに報じたという形をとっている。このような内部資料が日本の通信社の手に渡ることについて、ロシア人歴史家で露日関係に詳しいアナトーリー・コーシュキン氏は驚くにはいたらないとして、次のようにコメントしている。

「これは報道関係者が入手したのではなく、諜報機関からの情報だ。ロシア外務省のイーゴリ・モルグロフ次官でさえ記者団に対して、『自分はロシアの軍事インフラ設置計画は知らない。これは平和条約を議題とする交渉には何の関係もない。交渉ではロシアの軍事インフラの設置問題は討議されない』と発言し、詳細な情報の引用を行っていないぐらいだ。

共同通信側には、こうして「内部文書」らしきものを引用することで、自社が事情に精通しているところを強調する意図があったのかもしれない。実際はロシア国防省の極東方面国防能力強化計画は自由にアクセスが可能で、かなり前から公表されてきている。2001年から2007年の期間、セルゲイ・イヴァノフ元国防相はクリル諸島を幾度も視察し、諸島に新型軍備を配備するという声明を行ってきた。そして、そのたびごとにもちろんのことだが、日本側は不服を表してきた。

プリモリエ(極東のハバロフスク地方南部および沿海地方を包括する地域)南部から北極に至るまでの沿岸部に統一の沿岸防衛システムを築くという決定は2015年にとられている。セルゲイ・ショイグ国防相によれば、このようなシステムの構築は、極東および北方の海域で太平洋艦隊が展開する航路の安全を確保し、同時に海上での戦略的な核の防衛能力向上を図る目的で行われるものだ。

公式的な発表では、ロシアは2016年秋、クリル諸島のイトゥルプに沿岸用ミサイル複合体「バル」を、またクナシル島(日本名:国後島)に「バスチオン」を配備したことを明らかにしている。

また2017年11月、ロシアのマスコミはロシア海軍総司令部の発表を引用し、クリル列島のパラムシル島とマトゥア島での防衛施設の強化計画を報じていた。

今年7月発刊の『ロシアの武器』誌で、パラムシル島のセヴェロクリリスクにロシア連邦保安庁の北極地区東方面の新たな国境警備複合体が開設されたと報じられていた。この他、立法に関する情報を掲載する公的なインターネットポータルにも、ロシア航空宇宙軍の航空機、ヘリコプターがイトゥルップ島(日本名:択捉島)において民間機と同じ空港に基地を構える権利を獲得したというロシア政府の政令が上げられている。このようにロシア国防省は計画や達成を特に流布もしなければ、殊更隠そうともしていない。

日本は憂慮する必要はあるか?

それでは果たして日本はクリル諸島の軍備に戦々恐々とする必要があるのだろうか。スプートニクが、ロシア科学アカデミー極東研究所、日本調査センターのヴィクトル・パヴレテンコ上級研究員にこの問いを投げかけたところ、次のような回答を得ている。

「諸島におけるミサイル複合体の配備は、ロシア軍再軍備および軍の防衛ポテンシャル強化の総合戦略の枠内で行われている。今、取り上げられているミサイルは防衛用であり、これは攻撃用に転化することは不可能だ。もちろん、国境警備の強化ということは主権強化の意思の表れには間違いない。だが、だからといってロシアが、国際的な合意の枠組みで、あの1956年の日ソ共同宣言(ソ日共同宣言)もこれに含まれているのだが、その中で日本と対話を行うことが不可能ということにはならない。」

この記事に示された見解はスプートニク編集部のものとは必ずしも一致していません。

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