日本経済 新たな景気後退:致命的となるか、それとも

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日本の経済調査センターの専門家らは、新たな景気後退を警告している。2018年秋の段階では、その確率は67%だったが、今日(こんにち)では確率は92.8%に上がった。この数字は日本経済にとって致命的となるであろうか?

スプートニク通信は専門家に状況のコメントを求め、危機を回避するには政府はどのような策を講じなければならないかを尋ねた。

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国際関係専門家で政治学者、日本研究者のドミートリィ・ストレリツォフ氏によると、パニックの理由はないという。「現時点での景気停滞は多くの国に見られ、その原因は、貿易同盟の見直しや新たな形成など、全体的な世界の経済不安定にあります。日本は現在この理由では、不況打開という課題を立てていません。日本はハイテク国家で、脱産業経済を持っており、比較的安定している。そのため最悪の結果、つまり急速な経済指標の低下を免れることができます。」

米中貿易戦争は、日本経済の脅威の一つと見られている。それが原因で中国は貿易パートナーからの輸入量を減らしており、日本も例外ではないからだ。

それでもストレリツォフ氏は、米中貿易戦争による影響が日本経済の長期的ファクターになるとは考えていない。「日中貿易関係は全体として、政治状況に関係なく上り調子にあります。東京と北京の政治問題は経済とは独立したところにあるのです。」

「中国経済の成長は遅くなっただけで、日本は中国による日本製品の安定した需要が続くことを見込んでいます。東京とソウルの貿易紛争が両国経済に与える意味というのも、私は過大評価するつもりはありません。アジアの経済と統合プロセスは独自のロジックで進んでいます。“政治的喧嘩”はアジア諸国の経済関係には強く影響していません。」

「エクスパート」誌の金融アナリストのアンナ・コロリョワ氏は反対に、日本の経済安定性に大きなリスクがあるという。「日本経済の成長の芽が出始めたところに、米中の地政学的緊張がそれを逆戻しさせてしまいました。現在の状況で日本政府は、経済のあらゆる分野で金融政策を続ける以外、他の手を持っていないのです。それは農業と自動車産業になるでしょう。公的資金注入は既に20年以上行われており、新たな不況に何もいいことはありません。」

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いずれにしても両専門家は、新たな不況の最も悲観的なシナリオは起こらないと確信している。コロリョワ氏は、「アベノミクスは完全な失敗とは言えません。その成果は、日本経済は上り調子でないとはいえ、一応の安定をみているという事実で計るべきです。ましてやアベノミクスは、世界の全体的な輸出量削減がなければ、もっと成功したはずです。アベノミクス作戦は、最悪のケースを回避するために続けられるでしょう。日本経済は発展途上ではないので、高い成長率は必要としていないのです。」

ストレリツォフ氏も、日本政府は危機打開に、伝統的な策を使うだろうと見ている。「まず、消費税増税で落ちた消費需要を押し上げること。日本政府は国内企業に対して、企業が従業員の所得レベルを上げるために賃金アップを図れば、税制優遇(法人税減税)を提供するかもしれません。これにより2つの課題が一度に解決します。国民の生活レベルは下がらず、消費需要は増える。これが国内経済の支えとなります。国際レベルでは投資が重要になります。」

日本とアジア開発銀行は2016年、インフラプロジェクト投資を目的としてアジア諸国に5年間で2千憶ドルを拠出すると発表した。これは、資金が日本の国家予算に既に組み込まれていることを意味する。ストレリツォフ氏は、これら投資はどのような場合でも経済の安全クッションとなり、経済効果をもたらす、と締めくくった。

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